アイヌ文学

  • ニュース, 夕刊時評
  • 2021年4月20日

 美しい人妻が若い神に天の国へ連れ去られてしまう悲話、家の宝物を奪った悪い伯父を懲らしめる勧善懲悪の物語―。登別出身のアイヌ文化伝承者・故金成マツが約90年前、地域の語り部から聞き取り、筆録したウエペケレ(散文説話)だ。

 マツがローマ字筆記のアイヌ語で残したウエペケレは160編に及ぶ。しかし、多くが未訳のままだ。その原文コピーを道立図書館から取り寄せて、日本語に訳す地道な作業に白老町のアイヌ語教室メンバーが2年前から取り組んでいる。今春、昨年に続いてマツ筆録の5話を翻訳した本を発行した。アイヌ語教室の7人の有志らの挑戦と苦労がなければ、世に紹介されなかったかもしれないアイヌ民族の古い民話だ。

 文字を持たなかったアイヌ民族は、語りや朗唱で神々と人間の物語を代々伝え、豊かな精神文化を育んだ。コタン(集落)が幾つもあった白老・登別地区でも口承文芸が伝承されたが、同化政策という歴史の中に埋もれてしまったものも多い。白老町の有志らの翻訳活動は、過去の筆録で何とか残されたアイヌ文学に光を当て、神と人が密接に関わり合ったいにしえの日常を浮き彫りにする試みだ。

 教室の有志らは今年も原文解読に挑み、また本を出すという。しかし、作業費用の確保の面で今後も長く続くか分からない。意味ある活動への支援。地元アイヌ文化の復興に向けても、その手立てが必要だろう。(下)

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