駒大苫小牧高野球部出身の田中が17日、8年ぶりに日本球界のマウンドで勇姿を披露した。惜しくも勝利はならなかったが、ゆかりの関係者からは喜びの声が多く上がった。
「とても力をもらった」と喜ぶのは、1966年に監督として同部を初めて夏の甲子園へ導いた荒澤義範さん(82)。「米国時代までの力強いピッチングスタイルから、どこかゆとりのある投げ方になっていた。打たれはしたが、たくましさを感じた」と言う。
田中の同級生で2006年夏の甲子園ではベンチメンバーだった札幌新陽高野球部の小崎達也監督(32)は「国内通算100勝も懸かっていた試合。勝てなかったのは残念」としながらも、「気持ちを前面に出した投球スタイルに繊細さが加わったと思う。改めてすごい選手」と語った。
後輩たちも刺激を受けた様子。駒大苫野球部の児玉陽(2年)=仙台市出身=は、小学生の時に当時楽天のエースだった田中に一目ぼれし野球を始めた。「高校の後輩として、楽天ファンの一人としてとてもうれしい」と声を弾ませる。
同じく仙台市出身の田村虎河(3年)は幼い頃から楽天ファンで、田中の投球は球場で何度も観戦した経験がある。「田中選手の活躍に負けないように頑張りたい」と意気込んでいた。