水色の空に絵筆でサッと描いたような白い雲が浮かんでいる。一昨日の日曜日の札幌は暖かく、風も穏やかな一日に。16日まで、感染リスクを回避できない場合は、不要不急の外出自粛が要請されているが、中島公園まで散歩した。間もなく、桜の季節を迎える。
そんな季節に、衆院道2区(札幌市東区・北区の一部)補選のゴングが、鳴った。吉川貴盛元農水相(収賄罪で在宅起訴)の議員辞職に伴うものだが、自民党が政治とカネの問題の責任を取って「不戦敗」を決めた異例の構図に。昨年9月の菅政権発足後、道内では初の国政選挙。既に告示されている参院の長野選挙区補選・広島選挙区再選挙と同じく25日に投開票される。
選挙戦は野党統一候補に、無所属を含め乱立した保守系候補が挑む構図。顔触れは前衆院議員、前道議という政治のプロのほか、弁護士、元アナウンサー、元集金人、開業医など、まさに百花繚乱(りょうらん)。道内小選挙区選挙では、過去最多に並ぶ6人が出馬した。
コロナ禍で行われる初の国政選挙でもある。告示前の戦術では、大規模な集会はほぼ皆無。街頭演説後の支持者との握手も自粛。「事務所から感染者が出たら、選挙どころではなくなる」―。各陣営とも従来とは異なり「3密回避」にも腐心する。
自民不在だが、現政権のコロナ対策などが主な争点になる。10月までに行われる衆院解散・総選挙の前哨戦。12日間の各候補の舌戦に耳を傾けたい。(広)