恵庭南高校男子バレーボール部に所属する岩渕琉太(3年)=光洋中卒=、小安土篤(2年)=和光中卒=の苫小牧ゆかりの2選手が、道内屈指の強豪校で奮闘している。今年2月に北見市などで行われた北海道新人大会で2年ぶり2回目の優勝に貢献。全国高校総体(石川県)、全日本選手権(東京都)出場に向け弾みをつけた。正セッターの岩渕は「自分たちでもびっくりしている。いい雰囲気で試合ができた」と驚きと手応えを語った。
全道各地区の予選会を勝ち抜くなどした精鋭31チームが挑んだ一戦で、準決勝までの4試合を2―0のストレートで勝ち進んだ恵庭南。決勝では優勝候補筆頭の東海大札幌にフルセットの末2―1で勝利した。
今年1月の全日本選手権で全国1勝を挙げた当時の3年生が多く抜けた新チームには全道、全国級大会の実戦経験が少なく、身長も小ぶりな選手がほとんどだった。新型コロナウイルスの影響で他校との練習試合も満足にできない中、卒業後も足しげく母校を訪れた頼もしい先輩たちの胸を借りて力と自信を付けた。
「速くて高さのある攻撃に慣れることができた」と岩渕は感謝する。自身は攻撃の組み立て役として日々トスワークの向上に汗を流す。アタッカー陣の意見も積極的に聞き入れながら、「常に新しい攻撃の形に挑戦していきたい」と言う。
同じくセッターの小安土は「サーブで相手を崩したり、ブロックでしっかりポイントを取ったりすることができる」岩渕ら主力メンバーのすごさを表現する。今後出場機会を得るために「トスのフォームやポジション取りなど、いろんな人から助言をもらいながら向上させたい」と意気込んだ。
2人が中学時代に所属した苫小牧市内唯一の中学生男子チーム、苫小牧ジュニアの対馬満監督(青翔中教諭)は「活躍の話を聞くのはうれしいかぎり」と笑顔を見せる。岩渕は中学から競技を始めたとは思えないバレーセンスの持ち主。小安土は競技への情熱を人一倍持つ一生懸命な努力家だったという。「ここで満足せず選手、人間としてもっと成長できるように中学時代と変わらずひたむきに頑張ってほしい」とエールを送った。