歴史

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  • 2021年4月10日

 遠くの高い山を見るのが好きだ。苫小牧からなら日高山脈の主峰・幌尻岳。はるか昔の登頂時の疲労を思い出しながら眺めて飽きない。

 雪解けの季節は樽前山の日々変わる残雪模様も楽しい。コメバツガザクラのつぼみの膨らみ具合を想像しながら、乳牛が寝そべったような山容に目を凝らす。散骨や樹木葬など新しい葬送の形がテレビで紹介され、自分が生を終えて帰りたい所は山か海かを考えたことがある。結論は山。ふるさとで見た、とがった遠い遠い夕張岳が意識の奥深くに残っているのだろう。

 番匠克久さんの写真集「日高線の記憶」(北海道新聞社)に新冠町の判官館の近くから北西方向を写した一枚の写真があった。1898メートルの羊蹄山の輪郭が、真っ赤な夕焼け空を切り取っていた。鵡川町付近から遠望したことはあるが、日高中部からも羊蹄山を見られるとは知らなかった。手前には気動車が走っている。赤い尾灯が光っているから苫小牧方面へ向かう車両だ。JR日高線鵡川―様似間は6年前、嵐のため不通になり復旧工事も行われないままに今月1日、正式に廃止となった。

 判官館は寛文9(1669)年、全道のアイヌを糾合して蜂起した英傑シャクシャインが、和解を装った和人のだまし討ちに遭った場所。シャクシャインの軍勢が松前へ攻め上った時にも、羊蹄山は進路の目印だったか。もう二度と写すことのできない気動車の姿を見ながら、日高と日高線の歴史を思う。(水)

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