日本スケートボード協会公認プロスケーターの冨川蒼太(HOTBOWL)=苫小牧西高卒=は17日に本場・米国に渡り、プロとして本格始動する。オレゴン州ポートランドなどを拠点に約3カ月間、自身のトリック(技)を収める映像の制作活動に取り組む。米国内の有名ブランドにアピールし、スポンサー獲得につなげる考えだ。
冨川は今年3月に苫小牧西高を卒業し、今春からプロスケーターとして本格的に活動を開始する。2018年のアドバンスカップ(日本スケートボード協会主催)で準優勝し、同協会公認のプロ資格を獲得。19年11月に米国フロリダ州タンパで開かれた世界規模のコンテストで5位入賞を果たすなど、競技者としての実力も折り紙付きだ。
才能を認められ、冨川は「アディダス」を中心に海外のスポーツブランドなどとスポンサーシップ契約を結んでいる。さらに著名なブランドとの契約を勝ち取るため、米国では複数のトリックの映像を音楽と組み合わせて編集する「フルパート」と呼ばれる映像作品の撮影を行う。
フルパートを意中のブランドに送り、腕前を評価してもらうのが契約に向けた重要なプロセス。米国の大手スケートボードブランド「クリーチャー」と契約し、スケートボード用品に冨川の名前を冠した「シグネチャーモデル」をリリースすることが最大の目標だ。冨川は「シグネチャーモデルを出すために、自分の名前をもっと売っていきたい」と意気込んでいる。
16年以降、毎年夏に渡米してきたが、今回は長期間の滞在となる。帰国までにスケートボードパークを転々としながら約2~3分の動画を完成させる予定といい、現地での人脈づくりにも励むつもり。地元スケーターとのコラボも熱望する。「スケボーしかない充実した3カ月を過ごしたい」と力強く語った。