苫小牧を代表するカレイ釣りの好ポイント、苫小牧港・西港の入船公園で5日午後、良型のクロガシラが上がった。釣ったのは、「年に2回くらいしか釣りをしない」という千歳市の男性。東西両港でクロガシラの釣果が振るわない中、今季初釣行で見事、狙いの子持ちカレイを手にした。
男性はこの日、朝一番に現地に入り、実績のある一級ポイントの角地に釣座を構えた。3本の投げざおを用意し、西、港口方向、南と投げ分けた。仕掛けは、コマセ籠を上に連結した遊動式。餌は生イソメを使った。
まったく魚信がなく、回収した仕掛けの餌は付けた時のままという状態が続いたという。周囲も釣り人は少なく、諦めモードになりつつあった午後2時半ごろ、港口方向にちょい投げして様子を伺っていたさおに待望の魚信。大きな手応えを感じながらリールを巻いて魚を寄せると、良型のクロガシラが浮き上がってきた。
入船公園は、隣接するフェリーターミナルなどと同じ高さにある上、安全のために水辺側には胸元ほどの高さのフェンスが設けられている。当然、取り込みの際はクレーンのように魚を釣り上げなければならない。重量のある魚だったり、釣魚に対して道糸(ライン)が細かったりすると、海面から抜き上げた際、魚が暴れた拍子にラインや針素が切れるリスクが高い。
男性は、魚を一気に抜き上げるのは危険と判断し、しっかりと針掛かりしているのを確認した上で、リールのラインを緩めてクロガシラをいったん海底に戻した。駐車場の車に戻って振り出し式のたも網を出し、気を取り直して慎重に魚を浮上させ、たも網で無事、確保した。
クロガシラは約40センチの肉厚な良型。遊動仕掛けの下針に付いていた。腹はプクッと膨らんでいて、産卵のためにたった今岸寄りした感のある個体だ。
「日本海でホッケを狙うか、苫小牧でカレイを狙うか迷った。きょうの潮回りと、以前にこのポイントでカレイを数釣りした人がいたことを思い出して苫小牧に来た」と男性。「手のひらサイズでも釣れればいいと思っていただけに、このサイズなら1匹で満足。寒さも忘れる。食べるのが楽しみ。釣り人冥利(みょうり)です」と表情を緩めた。