アイスホッケーの王子イーグルスが3月の下旬、本拠地・苫小牧であったアジアリーグのジャパンカップ対横浜グリッツ戦に連勝し、優勝のシーズンを締めくくった。
この地で発足して95年の歴史を持つ実業団「王子」として臨んだ最後の2試合。すでに前週で王座を獲得していて、同月27、28の両日、会場の白鳥王子アイスアリーナに1000人以上の観客眼前で感謝の念をプレーで存分に発揮。横浜を5―2、9―0で一蹴し続け、コロナ禍に揺れつつも進んだリーグ日程の中、勝率8割超に達する強さを見せつけていた。最終日はファンの温かな拍手に応えていた選手が菅原宣宏監督を宙高く胴上げした。アリーナの氷上に大団円の光景が広がった。
王子製紙アイスホッケー部、後の王子イーグルスで選手としての日々を送ったOBたちがチームの計らいで両日招かれ、観客席一角に陣取って、赤基調で胸のチーム名「OJI」を縁取る紫紺と白の横じまユニホームを着た現代の顔触れが躍動するリンクを熱く見詰めていた。元GK新谷和夫さん(68)は「アイスホッケーは面白いスポーツ。夢を与えるようなプロチームに生まれ変わってもらえれば」―。今年度からクラブ「レッドイーグルス北海道」となる後進チームへの期待がにじんだ。
大会の個人賞がきのう発表され、筆頭の最優秀選手賞にFW中島彰吾選手が選ばれた。MVPは象徴。国内勢の戦いで傑出したチーム力が光った。(谷)