駒大苫小牧高女子硬式野球部は、埼玉県加須市の加須きずなスタジアムなどで行われた第22回全国高校女子硬式野球選抜大会(3月27日~4月2日、全国高校女子硬式野球連盟など主催)に初出場した。トーナメント2回戦で叡明(埼玉)に16―2で大勝し、創部1年目で公式戦初勝利。3回戦こそ強豪の神戸弘陵(兵庫)に0―7の五回コールド負けを喫したが、当時1年生の24人が目標とする日本一に向けて糧となる経験を得た大会となった。(石井翔太)
駒大苫は昨年4月に創部した。新型コロナウイルスの影響で昨夏の全国選手権は中止となり、全国選抜が初めての公式戦となった。
初陣の叡明戦では、先発した右腕の柴田涼が好投を見せた。直球と変化球で緩急をつけた、打たせて取る投球。4回を投げて被安打3、失点1と上々の内容だった。茶木圭介監督は「四死球もなく少なく上出来なピッチングだった」と評した。
打線は、二回と五回に打者一巡の猛攻で大量得点。柴田ら投手陣を強力援護した。中でも1番右翼手の金田涼々はチーム公式戦初安打を含む4打数4安打の活躍。3番遊撃手の野呂、4番捕手の勝俣も要所での安打が光り、存在感を示した。
3回戦は第19回(2018年)、20回(19年)大会で史上初の連覇を達成した神戸弘陵が立ちはだかった。神戸の先発、島野愛友利の球速120キロ超の直球に苦戦。打線は散発の2安打に抑えられた。駒大苫は、初球から積極的にバットを出すよう心掛けてきたが「手が出ていなかった。直球への対応も課題」と茶木監督。二塁手の藤井華子主将は「直球の伸びがあって手が出なかった」と悔しがった。
ただ守備面では成果が出た。2試合計9イニングで失策は0。日々の練習から徹底してきた声掛けで内野と外野のスムーズな連係を公式戦で実践した。藤井主将は「0にこだわって練習してきた守備が、ある程度通用した」と手応えを語り、攻守の課題を整理して成長につなげていく。