私は本が好きだ。将来は本に関わる仕事につきたいと思っている。私が本を好きになったきっかけは「若おかみは小学生」を読んだときだと思う。それからいろいろな青い鳥文庫の本を読むようになった。本は文字が多いからきらい。そんなことをいっしゅんで忘れるくらい夢中になった。姉からこの本をすすめられて読んで青い鳥文庫、本を作るためにはたくさん人の努力があることを知った。
文を書く作家、絵をかくイラストレーター、他にも文章のまちがいを直す校閲作業を行う人や原こうを読みやすくする作業をする人などがいる。そして本作りの様々な過程にたずさわっているのが編集者だ。私が本を面白いと思えるのは小さなことでもそれぞれ裏で努力している人のおかげだと知った。
本はみんなで作るものだからコミュニケーションが大切だと感じた。私が本に関わる仕事につきたいと思う理由の一つはみんなで一冊の本を作る達成感を知ってみたいからだ。本は決して一人では完成しない。一人一人の本に対する責任やこだわりがあるから良い本ができるのだと思う。私も学校で新聞係をしている。新聞は一人一人担当があるからみんな自分の記事に責任をもっている。だからこそ注意された時には少しイライラしてしまうことがある。でも、みんな良い新聞を作ろうという気持ちは同じだと思うと注意されたことを直そうと努力したり、自分がこだわった理由を理解してもらおうとしたりする。きっと本を作る人も常に、こういう気持ちをもっているのではないだろうか。本作りは楽なことばかりではないと思う。それでも、こだわりぬいて作ったからこそ本が書店に並んだ時の喜びは何にも代えられないものだろう。
私にとって本は、自分の可能性を広げてくれるものだ。読んでいる時だけでなく、読んだ後もだ。本を読んだ後には、知らなかった新しい自分も見える気がした。実は自分がこんなことを思っていたんだと発見できる。これからも自分のことをもっと知りたいと思う。
私はもうすぐ小学校を卒業する。そろそろ将来について真剣に考えていかなければならない。この本は将来のことを考えるきっかけを与えてくれた。読んだ後は、読者として本が好きというだけでなく、作り手としての本に対する思いを知り本に関わる仕事につきたいという気持ちがより強くなった。私は小学校生活の間にこれまで三百冊くらい本を読み想像することの楽しさを知り、自分の生活の中に幸せな時間が一つ増えた。今では本を読むことは生活の一部になっている。いつか夢を叶えるためにこれからもたくさんの本に出会い中学校でもいろいろなことに挑戦し、自分の可能性を広げていきたい。お金のためだけに働くのではなく本を読む喜びを多くの人に伝えるそんな人になりたい。本を楽しむ喜びを多くの人に届けられるその日まで。
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第38回冬休み読書感想文コンクール(苫小牧市立中央図書館、市教育研究会学校図書館教育研究部会主催)に市内の小中学校24校から98作品の応募があり、特選、最優秀作品に選ばれた6作品を紹介する(学年は前年度です)。