恵庭南高校定時制の英語教諭で恵庭市在住の久光原さん(60)が苫小牧民報や北海道新聞のコラムに執筆した文章をまとめ、このほど「出会いは宝」のタイトルで単行本(四六判、194ページ)を出版した。ページの左が日本語、右が英語と日英対訳本となっているのが特徴で、久原さんは後書きで「日本語、英語にかかわらず心の琴線に触れる何かが読者に届いてくれれば」と記している。
単行本には、2012年6月から13年5月に苫小牧民報のコラム「ゆのみ」に掲載された17編、15年1月から16年12月に北海道新聞のコラム「朝の食卓」に掲載の16編、教材用に書いたノンフィクションや学級通信に載せたエッセーなど5編で構成。これまでに出会った箱根駅伝走者やピアニスト、元プロ野球選手、札幌ススキノで活躍する歌手、パティシエといったさまざまな人から学んだ人生訓や、自身が見たり聞いたりした体験など心温まる話題を原稿用紙2枚ほどにまとめている。自分の生き方に悩みを抱える人に勇気や希望を与える佳編が続く。
本の帯には、親交のある元朝日新聞東京本社編集局長で作家・ジャーナリストの外岡英俊氏が「何気ない日常を切り取って紡いだ豊かな人生の花束だ」と絶賛。書籍を手にした英国の人気シンガーソングライター、ジョッシュ・クムラ氏から贈られた「感動あふれる素晴らしいエッセー」との英文が記されている。
久光さんは勤務する恵庭南高を3月末に定年退職となるため、「英語教師として生徒にプレゼントできる何かを残したい」と過去に執筆したコラムの日英対訳本の発行を思い立ったという。同時に学校の総合学習や国語、英語の教材として活用したり、英語を母国語とする在日外国人が日本語を学んだりする参考書としての活用を期待する。
著作発行は、15年4月の「箱根を駆け抜けた青春~北海道より箱根路へ~」以来6年ぶり2冊目。柏艪(はくろ)社(札幌市)発行。1500円(税別)。
ひさみつ・げん 士別市生まれ。獨協大卒。中・高全日制教諭を経て現在恵庭南高定時制英語教諭。この間、苫小牧勇払中勤務経験もある。2012年とまみん文学賞に「勇払から箱根路へ~長岡孝之物語~」で応募、佳作となった。最初に出版した「箱根を駆け抜けた青春~北海道より箱根路へ~」は口コミサイトGMO注目ランキングで3カ月連続全国1位を記録した。