転居

  • ニュース, 夕刊時評
  • 2021年3月27日

 テレビのニュースを見ていると、アナウンサーや記者が異動のあいさつをしていた。画面の内と外の、ほんの数年だけの関係でも、別れのあいさつをされると寂しい。

 新聞に教員、官庁や市町村の人事異動の人名と職名、学校名が、ほとんど漢字だけでぎっしりと並ぶ日がある。それが、この国の年度末と新しい年度の始まりが近いことを知らせる合図なのだ。この時期になると、たくさんの大人が引っ越しをし、子どもたちが転校していく。

 自分も会社員になってからの異動で、内示を受けてから10日ほどでの引っ越しを5回、経験した。1度目は家内と赤ん坊の3人で、2度目以降は子どもが増えて4人での転居だった。

 1989年にNHKが「おかあさんといっしょ」で放送した「赤いやねの家」という曲を思い出す。「でんしゃのまどから みえるあかいやねは ちいさいころぼくが すんでたあのいえ―」で始まる歌だ。仲間入りした次男に、新しい小学校の先生が複写した楽譜を送ってくれて、家族全員のお気に入りの歌になった。記憶と忘却、再訪と再会の複雑な均衡の中で頑張る転校生の心に詞が染みる。「秘密だった近道」や「クレヨンの落書き」を、「今もあるかな」と泣きながら歌って元気になった。転勤族の父だって同じ。

 樽前山はまだ純白だが街場の雪は消えた。新型コロナウイルスに帰省を阻まれている子どもや孫に代わって彼らの「赤いやねの家」を訪ねてみよう。(水)

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