「名手大坪の登場にファンわく」―。見出しが躍る。1980年1月5日付本紙に前日の王子―雪印定期戦の記事が載った。前年休部の岩倉を引き継いだ雪印(札幌)を初めて迎え、王子スポーツセンターで行われた正月の一戦。
当時の全日本(日本代表)入りメンバーが合宿中のため、主力8人を欠く王子は若手主体のチーム編成で、コーチ兼任の名GK大坪利満が第3ピリオド半ばで公式戦初出場の中里正彦に続いて守備に就いた。68年グルノーブル、72年札幌、76年インスブルックと五輪に連続3度出場して日本ゴールを守った。
トレードマークの赤いフェースマスクを着けてリンクに登場。モノクロ写真付きの記事は「ファンからは『大坪、大坪』と盛んな声援が送られ、あいかわらずの大人気」と書いている。