日照時間の長さから春の足音を感じ始める時季。本格的な渓流シーズンは当分先ではあるが、胆振周辺は4月(日高は5月)からの2カ月間はヤマメ釣りが禁止となる。釣り倶楽部の渓流担当は一足先に魚の姿を確認しようと、苫小牧近郊の渓流へ足を運んだ。
今回は支笏湖から流れ出る千歳川の支流に足を運んだ。釣り方は人工イクラを使った餌釣りを選択。5メートルの延べざおに0・3号のフロロカーボンライン、針は渓流用の4号と、”渋い”状況を想定して繊細な仕掛けを用意した。
渓流の餌釣りをする際に注意したいのは「針」。ヤマメやイワナなどの渓流魚は非常に目が良いとされ、針先が餌から少し出ているだけで見切られてしまう場合が多い。そのため今回は、渓流針を隠すように人工イクラを二つつなげて使用した。
担当が訪れた21日の天気はあいにくの荒れ模様。数日前から「名残雪」と言うには激しい降雪が続き、春に向かっていた山間部の景色は一転して冬に逆戻りしていた。
雪解け水が流れる渓流は、日中でも手の感覚を奪われるほど冷たい。厳しい釣果を確信。雪が積もって不安定かつ見通しの悪い足場に細心の注意を払いつつ川伝いに歩き、岩陰から数メートル先の落ち込みを見つけるたびに餌を投入したが、1時間ほど釣り歩いても魚影どころかわずかな当たりも皆無だった。
もくろみが外れて完全な勇み足となった釣行だったが、ワカサギやチカ釣りなど、足を使わない釣りがしばらく続いただけに、トレッキングもかねて久しぶりの気分転換となった。
好釣果は、初夏の解禁後に期待しながら、名残惜しく現地を後にした。
◇道内河川のヤマメ禁漁期間に注意
道内で渓流釣りをするに当たっては、道が水産資源保護を目的に設けている内水面漁業調整規則の確認が必要だ。「胆振、石狩、空知、上川、後志、檜山、渡島管内」は4~5月、「日高、十勝、釧路、根室、オホーツク、宗谷、留萌管内」は5~6月の期間、ヤマメの「採捕」を禁止している。釣り人のマナーとして確認した上で安全に釣りを楽しみたい。