うとない保育園昨年12月にクラスター  症状軽く見分けつかない、園児への感染対策「限界ある」

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  • 2021年3月22日

 昨年12月に新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生した、苫小牧市の認可保育園・うとない保育園。当時、在籍する0~5歳児106人、職員38人のうち、2割強の計33人の感染が確認された。胆振管内で感染が急拡大するさなか、感染対策を講じながらクラスターを防げなかったことを、細井智子園長は「すごいショックだった」と振り返る。

 市内で感染が初めて確認された昨年2月から、感染症対策に力を入れてきた。各家庭で登園前の検温に協力してもらい、発熱37・5度以上の場合は「お休みしてください」と呼び掛けた。従来は38度未満であれば園児を受け入れてきた。園内の消毒や換気も毎日複数回実施。机や椅子、ドアノブなど園児が接する場所は念入りに拭き取った。

 ただ、園児たちが遊ぶ時などは常に「密」で、マスク着用の徹底も難しい。0~2歳児はクラスター発生後も、マスクはしていないのが実情だ。呼吸がうまくできずに健康を害したり、昼寝の時に窒息の恐れがあったりするためだ。寝る際にはなるべく顔を近づけないよう気を配るが、細井園長は「子どもたちの飛沫(ひまつ)防止対策などは限界がある」と指摘する。

 クラスター判明後、感染した園児の健康状態などを聴き取った。無症状の園児が多く、症状があっても発熱は1日だけというケースばかり。「風邪よりも軽く、検査しないと分からない。医者も見分けがつかない」。無症状のまま感染が広まる危険性と隣り合わせというコロナの恐ろしさを再確認させられた。

 約2週間の臨時休園から再開後、感染対策の20項目以上を強化した。不定期だった園内の換気は30分ごとに3~5分間と徹底。寒かった時期も暖房で室内温度を上げ、「換気の音楽」をなるべく明るめの雰囲気で流し、園児たちの負担にならないよう配慮している。

 水飲みも蛇口の使用を中止し、すべて個人のコップを使うようにした。水でしていたうがいも、カテキン効果に期待し、お茶でするようになった。食事はパーティションに向かって黙々と取る。コロナ前は一緒に食事をしていた職員も、黙って見守るだけで、違う時間に別室で済ませている。外部の人の園舎立ち入りを制限し、送迎する保護者でさえ玄関に出入りできない。

 それでも小さな子どもたちが元気いっぱい駆け回る保育園では、「密」回避など基本の対策にも限界がある。3~5歳児はマスクを着用するようになったが、大人のように徹底させるのは難しい。「園内で遊ばないで―と言えば保育園に来ている意味もなくなる」。今回のクラスター事例では、マスク着用や消毒を徹底していた職員も感染しており「ひとたび菌が広がったら保育園は無防備。本当に難しい」と頭を抱える。

 クラスター発生を契機に保護者らの危機意識も高まっており「36・9度ぐらいの熱でも『休ませる』と言う保護者もいる」が、子どもたちの変化を捉え切るのはかなり困難。園児が熱を出したら医者にかかるよう保護者へ要請していても実際、PCR検査はまだまだ間口が狭い。「少しでも疑われる症状ですぐにPCR検査を受けられるようになれば、感染拡大の防止にもつながる」と力を込める。

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