白老町は13、14両日、歴史姉妹都市の仙台市で、アイヌ文化発信拠点・民族共生象徴空間(ウポポイ)と白老のPRイベントを開催した。戸田安彦町長をはじめ、白老アイヌ協会や白老観光協会の関係者らが同市を訪問。アイヌ民族の伝統楽器の演奏や特産品販売、PR動画の上映などを通じてウポポイと白老の魅力を発信した。
「仙台市に白老町がやってくる!」と題したPRイベントは、両自治体の歴史姉妹都市提携40周年を今年5月に迎えることから、町が一層の交流を深めるために企画。JR仙台駅近くにある複合ビルAER(アエル)のアトリウム2階イベントスペースで開いた。
会場には、ウポポイや白老町の紹介パンフレットなどを置いた情報発信コーナーを設置。虎杖浜たらこや白老牛ハンバーグなど食の特産品、アイヌ文様刺しゅうを施したマスク、ネックストラップ、トートバッグといった商品の販売コーナーも設け、人気を呼んだ。
また、町が制作し、中国出身の人気タレントが出演した動画「ロン・モンロウが行くウポポイと白老町 魅力発見の旅」を上映。食や温泉、アイヌ手工芸体験など白老の観光資源、ウポポイの魅力を伝える映像を流し、来場者の目を引いた。白老アイヌ協会会員による口琴ムックリの演奏、アイヌ文化などにちなんだクイズ大会も催し、訪れた人々を楽しませた。
この他、白老アイヌ協会が観光振興策で商品開発した土産用の菓子「カムイ伝説」シリーズの試食提供を実施。飛生アートコミュニティーのアーティストによる芸術作品を写真で紹介するコーナーも設け、関心を集めた。
仙台市には戸田町長をはじめ役場職員や白老観光協会、白老アイヌ協会の計10人が訪れ、イベントを運営。ステージ上のあいさつで戸田町長は、歴史姉妹都市の仙台市との絆を一層強め、交流を促進していきたい―と述べた。初日は風雨の悪天候に見舞われたものの、2日間で約1500人が来場。運営に当たった町アイヌ総合政策課の鎌倉弘弥さんは「仙台市のフリーペーパーなどがイベントをPRしてくれたこともあって、多くの市民に足を運んでいただいた」と話した。
幕末の仙台藩が白老に北方警備の陣屋を築いた歴史を縁に、白老町と仙台市は1981年5月に歴史姉妹都市を締結。40周年を記念して町は2021年度、仙台市への表敬訪問や仙台藩白老元陣屋資料館での特別展開催など記念事業を計画している。