苫小牧市北栄町に住む奥山博美さん(64)は、自宅の庭に野鳥のオアシスを作っている。
子どもの頃から野鳥に親しみ、苫小牧への移住をきっかけに本格的に野鳥観察を始めた。「ちょうどウトナイ湖サンクチュアリが開設された頃。当時は仕事がとても忙しく、癒やしを求めてネイチャーセンターを訪れ、野鳥観察を楽しんでいました」。その後ボランティア解説員を務めるようになり、休日にはウトナイ湖を訪れる人たちに野鳥観察の楽しさを伝えている。
自宅の庭には手作りの餌台や巣箱、水浴びができるバードバスを置き、季節を通して30種類ほどの野鳥を楽しんでいる。「この辺りはかつて林でしたが、住宅が広がったことで環境が変わってしまった。それで、食べ物が少ない冬場に餌をやっているんです」。さまざまな種類の鳥にやってきてもらいたいと、餌にはヒマワリの種、青米やヒエ、アワ、リンゴなど多様なものを用意している。「餌台やバードバスは猫に狙われないように地面から1メートルくらいの高さに置いています。天敵が来た時に身を隠すことができる茂みも大事です」。
いくつかの餌台の中で、奥山さんの最もお気に入りなのが窓際の餌台。窓のすぐそばにあり「ガラスを隔てて本当に間近で観察できます」。野鳥たちは設置してからしばらくは警戒していたが、安全と分かると餌を食べに来てくれた。
「庭に鳥たちが来ると癒やされます。野山を歩くのが難儀な方に特にお勧めしたいです」と奥山さん。冬場の餌やりは11月くらいから5月の連休くらいまで。夏場は子育てをするペアやバードバスで水浴びをする姿も見られるという。(S)