新型コロナウイルスの流行が続く中、苫小牧市内の小中学校は感染予防を徹底させ、卒業式に臨む。出席する保護者の人数を制限したり、分散開催にしたりと対策に万全を期す。
市内では小学校が19日または22日、中学校は13日(啓北中山なみ分校は12日)に卒業式が予定されている。
市教育委員会は最大300人程度の出席者数で、1時間ほどの開催とした上、校歌や国歌は斉唱しないなどの実施要領を各校に通知しているが、具体的な対応は委ねている。
卒業生が多いウトナイ、拓勇、拓進、北光の4小学校と青翔中学校は当日の式典を2回に分けて開催する。
市内最多の231人が卒業する青翔中では9日に練習が行われたが、コロナ対策として、教諭らは「入退場時は間隔を空けて歩いて」「校歌はCDを流すので、心の中で歌って」と距離の確保や飛沫(ひまつ)拡散防止を指導した。
同校では保護者の出席を1人に絞り、送辞を述べる生徒以外の在校生の参列を見合わせる。杉本昌史校長は「この1年、感染予防のため参観日もなかったが保護者には、子どもたちの集大成を見てもらいたい」と話す。
荒井しずくさん(15)は「3年生徒全員で式に出たり、合唱したりしたいけれど仕方がない」と冷静に受け止める。山本弦さん(15)も「式が無事行われるので安心している。母に成長した姿を見せたい」と晴れの日を楽しみにする。
大半の学校は卒業生、保護者と教職員のみで式を行うが、在校生を交えて門出を祝う学校も。129人が卒業する明倫中は在校生219人を登校させ、各教室への生中継で式典の様子を伝える。
全児童数31人の樽前小学校は、全出席者のソーシャル・ディスタンス(社会的距離)確保が可能とみて保護者に加え、在校生も全員が式に出席。同校は「式中の児童の呼び掛けには、事前に録音した音源を使用するなど飛沫感染防止にも留意して本番に臨みたい」と話している。