日曜日のウトナイ湖ネイチャーセンター(苫小牧市植苗)。デジタルカメラを手に、レンジャーに「これはカワウですか?」と熱心に尋ねる少年がいた。市内しらかば町在住の豊田侑生(ゆうき)君(日新小6年)。4年生の時、校外学習でウトナイ湖野生鳥獣保護センターを訪れ「望遠鏡でいろいろな野鳥を見て興味を持つようになりました」と話す。
小さい頃から恐竜や動物が好きで、図鑑や自然に関するテレビ番組ばかり見ていたというが、突然の野鳥への情熱に父親の知宏さん(44)は「私も妻も野鳥についての知識など全くなかったのに」と驚きつつ、休日には一緒に野鳥観察に出掛けるのが習慣になった。
活動範囲は自宅近くの川や北大研究林(市内高丘)、少し足を延ばして市内や近郊の町の川や山林。「近所の川にダイサギがいるしカワセミも見ました。カササギも見たし、この前はスーパーの駐車場でキレンジャクの写真を撮りました」。普段は人見知りだが、鳥のことになると興奮気味の侑生君。「前はあまり(野鳥が)見えていなかったけど、好きになってから見えるようになった」と、照れながら教えてくれた。
以前は学校や登下校中に野鳥を見つけると急いで家に帰り、母親のスマートフォンを借りて写真を撮りに行っていたが、昨年のクリスマスに自分専用のデジタルカメラをプレゼントされ、世界は一気に広がった。先月、美々川でタンチョウを見て感激した侑生君は「次はシマフクロウやシロフクロウの写真も撮りたい」と意気込む。知宏さんは「私たち家族も新たな発見があって楽しい。やりたいことを全力でやっている息子をこれからもサポートしながら一緒に楽しみたい」と目を細めた。(S)
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