春 クロガシラ そろそろ

  • 釣り
  • 2021年3月11日
護岸帯にも数組が入釣し遠投で狙っていた=7日、苫小牧港・東港
護岸帯にも数組が入釣し遠投で狙っていた=7日、苫小牧港・東港
消波ブロック越しに投げる一本防波堤でのカレイ釣り。サクラマス狙いのアングラーも=7日、苫小牧港・東港
消波ブロック越しに投げる一本防波堤でのカレイ釣り。サクラマス狙いのアングラーも=7日、苫小牧港・東港
投げ釣り愛好者に人気のクロガシラカレイ。30センチ強の中型だ
投げ釣り愛好者に人気のクロガシラカレイ。30センチ強の中型だ

  春告げ魚と言えば一般にニシンだが、投げ釣りファンにとってはカレイのクロガシラだ。5月にかけて憧れの”ゴーマル(50センチ)”サイズを物にしようと夢を描く。この時期、クロガシラはニシンの卵を狙い、自らの産卵のためにも浅場に移動する。岸から投げて大物を狙える絶好のシーズン。春本番を待ち切れない愛好者たちが、早くも港や海岸に繰り出している。

   例年、苫小牧の東西港では2月ごろからクロガシラの便りが届き始める。昨今は、岸壁の管理者の規制が強化されて入釣可能な場所が減っていることもあり、釣果情報は少なめの感もあった。

   そうした中、2月下旬に胆振管内の早場、大物ポイントとして有名な室蘭港の通称L字埠頭(ふとう)でクロガシラの良型が上がりだし、これを機に苫小牧でも釣り人の動きが活発化し始めた。

   空が晴れ上がって気温こそ氷点下ながら、風の弱い穏やかな日曜となった7日午前の苫小牧港・東港。前夜からの泊まり組を含めて20組以上の釣り人が中央水路の一本防波堤や周辺に入釣した。

   このうち護岸に釣り座を構えた千歳市の男性は、今季最初の釣行で初物の1匹を釣り上げた。サイズは30センチ強。カレイ針13号の2本針遊動仕掛けで100メートル程度遠投したさおに付いたという。餌は塩で締めたイソメだ。

   はしりの時期だけにうれしい1匹だが、「満足感はあまりない」と男性。魚信を捉えての釣果ではなく、帰り支度を始めて回収した仕掛けに付いていた。苦笑いをしながら「釣ったというより、釣れた。当たりを見逃したのかもしれないが、魚の活性は低い」と話した。

   苫小牧市内のエビス釣具店によると、クロガシラの釣果は東西両港ともこれから本格化する見込み。「特に西港は雪代の影響で水温が低め。ニシンの産卵もこれから本格化するので、今後に期待では」とみる。

   気温が上がる4月にかけてクロガシラの活性は高くなり、産卵後には荒食いすることもある。春のカレイ釣りはこれから本番だ。

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