春はバードウオッチングに最適な季節。観察スポットはウトナイ湖や北大研究林など幾つもあるが、近所の公園や住宅街など身近な場所でも野鳥の姿を楽しむことができる。春の野鳥の楽しみ方を紹介する。
野鳥にとって春は恋のシーズン。オスは自慢のさえずりでメスにアプローチし、ペアが成立すると産卵、子育て。本州などで越冬した野鳥たちも繁殖にやってくる。この時期、身近でどんな鳥が見られるのか、ウトナイ湖サンクチュアリネイチャーセンター(苫小牧市植苗)の善浪めぐみレンジャーに聞いた。
毎年3月下旬、雪解け後の住宅地に最初にやってくるのはヒバリ。ひなを育てるための豊富な餌を求めて、本州から北海道に渡ってくる。それから2週間ほど遅れてスズメよりやや小さいノビタキも。また、通年で見られるヒヨドリ、シジュウカラ、ゴジュウカラなども繁殖の季節を迎える。
本来自然の草原にいる鳥にとって「住宅地は繁殖に最適な環境ではないかもしれないが、ちょっとした草地や雑木林などがあれば鳥は意外と近くにいるんですよ」と善浪さん。
郊外では、ウトナイ湖や北大研究林は当然だが、苫東の工業地帯も野鳥が豊富。見逃せないのはオオジシギの求愛ディスプレーフライトで、はるか上空で「ズビヤク、ズビヤク…(ジビールジビール…)」と鳴いていたと思ったら「ザザザザザッ(シュワワワワッ)」とけたたましい音を響かせて急降下する。日本から9000キロも離れたオーストラリアで越冬し、繁殖のためにはるか北海道に渡ってくる野鳥だ。
「食べるものによっている場所が違う。どこから声がするのかよく聴くこと。例えば木の実を食べるシジュウカラなどは木の上、虫を好むハクセキレイなどは地面の近く。また、日の出直後はさえずりがよく聞こえます」。観察には双眼鏡や図鑑があると便利だ。(S)
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