第1部 3 「夜の街」の力に 絶やさぬ明かり 安心追求へ客席を個室化

  • 検証 コロナ禍 支援編, 特集
  • 2021年2月25日
手作業で店内を個室化する鈴木さん

 「こんなときにお店をやるなんて」―。新型コロナウイルスの緊急事態宣言下の昨年4~5月。店に届いた手紙を目にしたとき、「覚悟はしていたけど『ぐさっ』ときた」。苫小牧市錦町で居酒屋「港町トマコマイ飲食街ゴーゴー食堂」を経営する鈴木正人さん(48)は話す。午後7時以降、酒類の提供を自粛すると道が10万円を出すと表明したが、「とても難しい」と要請に応じなかった。

 コロナ下で売り上げが低迷し続け、鈴木さんは「これはまずい」と実感していた。売り上げ半減の飲食店を対象にした法人向け持続化給付金200万円を受けても、単月の損益分岐点に達しない。従業員6人、アルバイト8人を雇用し「(同給付金が)個人100万円、法人200万円と大きくても、店の規模によって重みは変わる。自分たちで何とかしないと」と思い至った。

 錦町や大町の繁華街から明かりがどんどん消え、同店も売り上げが激減する中、「このままでは夜の街の需要がなくなる。店を開け続けることで力になりたい」と決意する。

 一方で感染拡大防止には協力しようと、独自に営業時間を短縮した。感染対策に取り組む店舗を対象にした市独自の支援金も受け取ったが、発熱検知センサー導入など力を入れるほど持ち出しもかさんだ。

 飲食店への融資制度も充実していたが、「今も大変なのに、将来マイナスを取り戻すのはもっと厳しくなる」と見通した。イベントなどで使っていたキッチンカーに着目し、同11月に車両販売や起業支援の会社「スタンドファクトリー」を創業。新たな収入の柱を異なる業態に据えた。

 さらに今月、100席あった店内の座席を半減し、すべて個室化した。「不安もリスクもあるが、自分は動く方を考えた」。団体客が見込めない中、訪れた人の安心を追求した苦肉の策。満席でにぎわいを生み続けることが、逆効果になる可能性もあると判断した。改装はできる限り手作業で費用を掛けず「新たに活用できる支援事業もありそうだったが、情報もなく待っていられなかった」ときっぱり。

 国や道、市の各支援事業に「『皆さまに応援いただいている』と思うと感謝しかないが、正直なところまかたしない(採算に合わない)。支援も『第1波』の時は手厚かったが今は大変」。感染拡大の波が押し寄せるたびに店の体力もそがれていく。それでも鈴木さんは「飲食業に『これだ』という打開策はない。自分たちでやれることをやらないと」と心に決めている。

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