苫小牧のアブロス沼ノ端、日新両スイミングクラブ所属選手が、28日に札幌市平岸プールで開かれる短水路の第43回全国JOCジュニアオリンピックカップ春季水泳競技大会北海道予選会に向け意気込んでいる。新型コロナウイルスの影響で中止された全国JOC春季大会(3月、東京)の代替となる、都道府県通信大会につながる重要なレース。泳法、年齢、距離別の各種目で標準記録突破を目指し、練習に余念がない。
JOC春季の代替通信大会は各都道府県で行われる指定大会の結果を日本水泳連盟が集計し、順位付けする。各種目の厳しい標準記録を突破した選手がランキング資格を得る。道の通信大会は3月21日に札幌市内で開催が予定されている。
アブロス沼ノ端は高橋良汰(北海道栄高1年)、野村遥希(青翔中1年)の2人がすでにランキング資格を得ている。全国常連のクラブ仲間に続けと闘志を燃やすのは、男子100メートルバタフライの金子竜之助(同2年)。今月14日の道内レースで59秒11をマークし、長く立ちはだかった1分の壁をようやく突破した。
同種目の全国標準は57秒60。後半50メートルの泳ぎを課題に挙げ、「30秒台で泳げるように息継ぎを極力減らして、キックも最後まで強く打てるようにしたい」と言う。大江俊彰コーチは「フォームはクラブ内で一番きれい。100メートルでみれば、同じバタフライで全国標準を突破した野村よりも力はある」と期待する。
また、バタフライで3度の全国大会出場経験を持つ牛田真奈(明倫中1年)は、今大会から背泳ぎに主戦場を移した。14日の道内レースで女子200メートル背泳ぎに初挑戦し、全国標準(2分19秒30)に迫る2分21秒85を記録した。見据える同予選では「テンポよく泳いで標準を突破したい」と語った。
アブロス日新は男子50メートル自由形の棚澤昊士(澄川小5年)が14日の道内レースで自己ベストを更新する28秒74をマーク。全国標準まで0・77秒と射程圏内に入った。日々の練習から意識させてきた「水をつかむような手の動きができた」と胸を張る。
本格的に競技を始めて2年足らずで早くも全国を狙える位置まで到達した、将来が楽しみな逸材。本番までに「しっかり練習を積んで調子を上げたい」。
女子の50メートル自由形で全国標準(27秒19)突破を目指すのは坂下夕空(啓北中1年)。ここ数年は春、夏両JOC大会の出場権獲得をあと一歩のところで逃してきた。今季は腕の動かし方など細かいフォーム修正に取り組み、自己記録は28秒24まで縮んだ。「得意の短水路で頑張りたい」と意気込む。
津谷敬太コーチは「棚澤、坂下の2人が全国標準を突破することで、他のクラブ生も続いていくきっかけになれば」と期待を込めた。