第1部 1 苦境打開へ自ら行動 バーからカレー店に転身

  • 検証 コロナ禍 支援編, 特集
  • 2021年2月23日
スープカレー店を開業した小谷さん

 「自分で何か動きだすことが大事だと思う」―。スープカレー店「94Store」を昨年9月4日、苫小牧市糸井で開業した小谷毅さん(34)はしみじみと話した。新型コロナウイルス感染拡大の影響により、同6月に錦町のバー「ZIGZAG」を閉店。「夜の街」を取り巻く厳しい環境に打ちのめされたが、心機一転の挑戦は順調な滑り出しを見せた。

 バーは5年ほど営んできた。平日は1人で切り盛りし、休日はアルバイトを雇用。宴会などの「2次会利用」を見込み、職場割りプランも用意。週末は20~30人が安定して訪れていた。コロナ禍はそんなバーの光景を簡単に奪った。

 道内で初感染が判明した昨年1月から客足に影響が出た。「最初のうちは軽く見ていた」が、道が緊急事態宣言を出した2月末には「暇になった」。週末でも閑散とした店内に「店を開けている意味はないんじゃないか」と感じるようになった。

 売り上げは前年同月と比べて半減以下になったが、テナント料や光熱水費など店舗を維持する固定費は変わらず月30万~40万円は掛かる。個人事業者に上限100万円を支給する持続化給付金を受けても、「黒字」の維持は2カ月間が限度の計算だった。

 休業や時短営業の要請に協力し、自主的なコロナ対策を講じれば、道と市が30万円を支援する制度もあったが「頼れるだけ頼っても、貯金と一緒で、お金はどんどん減っていく」と判断。先行きは不透明ながら「ゼロになれば、何もできなくなる。動こう」と決心した。

 バー時代から自信のメニューだったスープカレーに命運を託した。店舗は居抜き物件の賃貸で、知人らが協力し低価格で改装。カフェのような明るいイメージに、「来てくれた人が心を満たされるように」と願いを込めた。コロナ対策で座席は30程度に抑えた。

 右も左も分からない状態で開業したが、ランチやテークアウトのニーズは高く、国道36号沿いの好立地も追い風となり、幅広い世代から人気を集める。10月には波月さん(25)と結婚し、「いろんな方から『移って正解だったね』と言われる」と笑顔を見せる。

 飲食店に対する国や道、市の支援金などに「感謝しかない」と強調するが、「飲食店だけが厳しいわけではない」と複雑な思いを抱く。感染再拡大で売り上げが減った時期もあるが、「国などに全て頼るのも違う。自分たちが何か新しい行動を起こし、それを支えてくれたらうれしい」と前を向く。

 (コロナ検証班)

 ◆

 胆振管内、苫小牧市内で新型コロナウイルスの感染が初めて判明してから1年が過ぎた。あらゆる分野に影響が出る中、特に飲食店は休業や営業時間の短縮を要請されるなど、打撃を受け続けてきた。国や道、市は対策や支援策を次々と打ち出すが、果たして効果は上がっているのか。「支援される側」「支援する側」それぞれを追った。

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