千歳市支笏湖温泉の支笏湖ヒメマスふ化場で、放流用の稚魚がすくすくと成長中だ。1月下旬からふ化が始まった稚魚たちの体長は0・5~1センチ。赤い栄養袋「さいのう」を腹に付け、元気いっぱいに泳ぎ回っている。
支笏湖では、千歳市からの委託で支笏湖漁業協同組合がふ化増殖事業を実施している。昨年10月から小型定置網で親魚を捕獲し、11月上旬までの採卵作業で約20万粒を確保。近くを流れるシリセツナイ川の水をふ化槽内に引き込み、水温を約7度に維持してきた。
ふ化は例年に比べ2週間ほど遅かった。ヒメマスの親魚は産卵期にふ化場近くの湖岸に近づく習性があるが、昨年は接近が遅く、採卵も遅れた。さらに年末年始の寒気も影響した。
それでも3月半ばにはさいのうがなくなり、給餌を開始する。6月には18万5000匹を支笏湖に放流する予定だ。同漁協は「病気などの問題もなく、順調に成長している」と話している。