5 激減する学校行事 学習発表会の成功を、友達と今まで通りに

  • 特集, 続暮らしの記録
  • 2021年2月19日
学校のテスト結果を寛範さん(右)に報告する、柚乃さん(左)と咲空君

  新型コロナウイルス感染拡大防止のため昨年3~5月、苫小牧市内の小中学校がほぼすべて臨時休校となり、子どもたちは巣ごもり生活を強いられた。日新小5年の山西柚乃(ゆの)さん(11)は6月以降、毎日登校できる日常が戻り「友達や先生と話せ、学校は本当に好き」と声を弾ませる。ただ、友達の家に遊びに行けなくなるなど我慢は多く、「早くまた一緒に勉強やかくれんぼをしたい」と語る。

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   柚乃さんは休校期間中も、自宅で熱心に勉強した。通信教育のタブレット学習や学校で課された宿題を精力的にこなし、「勉強に遅れは感じなかった」と言う。そんな娘の頑張りと、満足のいくテスト結果に父寛範さん(43)は「コロナ禍は成績に影響していないようだ」と目を細める。

   一方、市内の小中学校では感染症対策のため、保護者が子どもたちの集団行事やその様子を見る機会が激減。校内での保護者参観は軒並み見送られ、同小では昨年10月の屋外体育公開が、今年度最初で最後の参観機会になった。

   「パパがいるか、つい後ろを向いちゃう」とはにかむほど、参観日が好きな柚乃さんは「寂しい。クラスで先生の話が面白いから、いつもの授業の様子を見てもらいたい」と残念がる。

   スポーツ少年団も大会が中止になったり、保護者の観覧を制限したり。きょうだいで水泳を習い、同小2年の弟咲空(さく)君(8)についてはバスケットボールにも励むが、寛範さんは「子どもたちの成長機会が減っているのでは」と、2人の心身に及ぼす影響を心配する。

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   苫小牧でも順次、ワクチン接種が始まるが寛範さんは「有効性はまだ分からない」と冷静。「今は無理に行事などを実施してほしくない」と、安全確保が最優先されることを願う。

   ただ、4月から柚乃さんにとって小学校生活最後の1年が始まる。特に2020年度は中止となった学習発表会成功への思いが強く「みんなで力を合わせた劇で、思い出をつくりたい」と目を輝かせる。コロナ下でも子どもたちが力を発揮するような機会が求められている。(高野玲央奈)

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