北海道栄高校駅伝部の宮武和矢(3年)=帯広翔陽中出身=が4月、大学駅伝新興校の東京国際大に進学する。2度の全国高校駅伝出場をはじめ、昨年10月の全道大会では重要区間の4区(約8キロ)で区間賞に輝いた好走者。「ここに来ていなかったら今の自分はない」と母校での部活に感謝の気持ちを表現しながら、「一からのスタートと思って頑張る。次は箱根駅伝を走りたい」と意気込んでいる。
東京国際大駅伝部は2011年に創部した新進気鋭のチームだ。箱根駅伝最多14度の総合優勝を誇る中央大の出身で母校コーチとして第72回大会(1996年)制覇に貢献した大志田秀次監督の下、第92回大会(2016年)に予選会を突破し初出場。第96回大会では総合5位で初のシード権を獲得した。
今年1月の第97回大会は往路2区で区間新をマークし大会最優秀選手(金栗四三杯)にも選ばれた外国人留学生イェゴン・ヴィンセント(2年)を軸に総合10位で2年連続のシード権をつかんでいる。
宮武は高校1年生の冬に神奈川県で行った強化合宿時に大志田監督から声を掛けられたことが、進学の大きな動機になったという。「そのときはまだトラックの5000メートルで15分台の力しかなかったのに、すごく光栄だった」
国学院大の藤本竜(2年)、帝京大の小野隆一朗(1年)ら頼もしい先輩たちの存在もあり、その後2度の全国舞台(京都)を経験。道栄の山中慎監督が「こつこつと努力するタイプ」と評価するように地道に研さんを重ね、トラック5000メートルのタイムは14分30秒58。同1万メートルも30分台前半で走れるまでに成長した。
3年生となった昨年こそ全国大会出場を逃したが、道大会で区間1位の称号を手にし、満を持して学生になる宮武は「自分も早く大学の全国大会で走りたい」と心を躍らせる。まずは80人ほどいるチーム内のレギュラー争いに勝つ必要があるが、「高校のときと同じように自分よりも速い選手に練習から食らい付いて、しっかり力を積み上げていきたい」と語った。