冬場がメインの胆振太平洋沖のサクラマス釣りが好調だ。日によって釣果は変動するものの、苫小牧から白老の沖合では、船釣りライセンス制で決められている1日の上限10匹の定数者も多い。今シーズン際だった大物の報告は少ないが、釣って、食べてうれしい高級魚の魚信にファンの表情は緩む。
本紙釣り倶楽部に情報提供してくれている苫小牧港・西港所属の遊漁船「かつえい丸」(田代健二船長)は12日、苫小牧沖の水深100メートルのエリアで朝からサクラマス釣りを開始。魚群が遊泳する水深(棚)は25~55メートルと幅があったが、午前9時までに乗船者7人のほとんどが着々と釣果を積み上げた。
そうした船中にあって我慢の釣りを強いられていた苫小牧市内のタイル業、亀尾寛之さん(76)だったが、周囲の魚信が落ち着き始めた9時すぎから猛烈な勢いで魚を掛けだした。結局、午前11時までにサクラマスを10匹釣り上げ、気が付けば船内での定数一番乗り。ベテランの意地を見せて面目躍如となった。サイズは全体的に2キロ台が中心だ。
亀尾さんはこの日は、700グラムのバケを使った毛針の胴突き仕掛けを泳がせた。前半は昨シーズンに実績があった仕掛けを使ったが、魚が乗り切らないため新作のオリジナル胴突き仕掛けに交換。「毛針にタコベイトをかぶせてちょっとした細工を施した」と言う。これが奏功し、好釣果につながった。
加えてこの日は、棚が不安定で釣れる層が頻繁に変化。「小まめに棚を変えたのが良かった。仕掛けの位置を固定していたら釣果は上がらない。常にさおを上下させて棚を探ったのも良かった。その分、疲れたけど」と笑った。
田代船長によると、サクラマスと同じ棚でソウハチの魚影も濃くなっているという。この日もバケ仕掛けの釣り人には良型のソウハチがまずまず上がり、多くの乗船者は大満足の釣行となった。