新型コロナウイルスワクチン保管用の超低温冷凍庫1台が苫小牧市役所に到着し16日、報道陣に公開された。6月までに計11台が届く予定で、市内の医療機関などに順次、設置される見通し。市は国からワクチンが納入される時期などが判明次第、集団接種向けに最初の1台の試運転を開始。3月中に医療従事者など約6200人に対する先行接種を目指す。
冷凍庫は、零下75度での管理が求められる、米ファイザー社製のワクチンに対応したPHC社製の「ディープフリーザー」で高さ94・5センチ、幅55センチ、奥行き68・5センチ。
庫内を同60~85度に設定することができる。最大で接種1万9500回分に当たるバイアル(医療用ガラス瓶)3900本の収納が可能という。
16日、市は本庁舎2階の会議室で、前日搬入された冷凍庫の開封作業を公開。市職員2人が重さ70キロの製品を段ボールから取り出し、開錠した。
ブレーカーを備えた専用回線があり、非常用電源も通っている同会議室に柵を設けて設置。市健康こども部健康支援課が管理していく。
同課の出雲奈緒課長補佐は「市民が安心してワクチン接種を受けられるよう、しっかり準備を進めていきたい」と語った。
市はワクチン接種の対象を16歳以上の市民14万8000人と想定。医療従事者などへの先行接種後、21年度中に65歳以上に達する高齢者約5万2800人、基礎疾患を抱える人や高齢者施設の従事者約1万3900人への接種を順次、進めていく方針だ。