1 コロナと共存の生活 娘の成長を実感、趣味を楽しむ時間も

  • 特集, 続暮らしの記録
  • 2021年2月15日
登園前の柚月ちゃん(左)にマスクを着ける友香さん

  「ウイルスと付き合いながら過ごさないと」―。苫小牧市緑町の主婦、森友香さん(36)は今の日常を冷静に受け止める。1年前にコロナが流行し始めた頃は、情報が少なく、実態も分からず、「怖い」という気持ちが大きかった。コロナの感染拡大が止まらず、リスクがより身近に迫る中、対策を徹底しながらできること探し。「変わる日常」の中で楽しみを見いだし続けてきた。

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   長女の柚月(ゆずき)ちゃん(3)が昨年4月、認定こども園のプレスクールに入園したが、直後に国の緊急事態宣言で休園になった。6月上旬に園は再開したが、取り巻く環境が相次いで変わり、柚月ちゃんが「(園に)行きたくない」と黙り込む日もあった。

   通園時間を徐々に延ばすことで慣れ、今は「友達に会える」と毎日が楽しそう。帰宅後は写真を手に「この子と『よーいドン』をしたよ」などと大喜び。友香さんは「嫌なことを我慢できるなど、集団生活で性格が大きく変わった」と柚月ちゃんの成長を実感し、ほっとしている。

   友香さん自身も休園期間中は「今しかない。期間限定」と割り切り、柚月ちゃんと過ごす時間を最優先したが、園再開後は趣味を楽しむ余裕も生まれた。今は「家事もできているし、ゆったりした時間を過ごせている」と笑顔を見せる。

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   一方で変わらないのは徹底したコロナ対策。スマートフォンの画面を小まめに除菌シートで拭いたり、休日は「密」を避けて遊ぶ場所に屋外を選んだりと、感染防止に気を配る日々が続く。柚月ちゃんも園のルールに従い、登園前に体温を毎朝チェックする。

   年末年始も例年とは違った。友達と会ったり、初売りへ行ったりせず、夫と家族3人、室内で静かに過ごした。「やはり昔のようには生活できない」とコロナとの共存を意識する。

   4月に札幌へと引っ越す予定だが、苫小牧での出会いはかけがえのない財産。「引っ越し後も友達に会いたい」と思いつつ「コロナを運んではいけない」。新生活を前に「札幌と苫小牧の往来を安心してできるよう、コロナが早く終息してほしい」と願っている。

  (小玉凜)

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   新型コロナウイルス感染が胆振管内で初めて確認されてから間もなく1年。あらゆる場面で変化が求められ、市民生活も大きく様変わりした。昨年のコロナ拡大「第1波」「第2波」の際に取材した市民を再訪し、その後の暮らしぶりなどをつぶさに追った。

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