苫小牧工業高唯一の部員で3年生の木須が高校部活動の最終レースを滑り切った。「調子が悪かった」と言い、タイムは伸びなかったが、部活の締めくくりに全力を振り絞った。
苫小牧光洋中時代は卓球部に所属した木須は高校でスピードスケートに転向。昨年と今年、高校総合体育大会(インターハイ)にも出場した。「一人だけの部活動で苦しいこともあったけど、練習をすればするほどタイムが上がっていく達成感があった」と競技の魅力を語る。
高校生活最後に臨んだ大会は500メートルで47秒24、1000メートルで1分39秒35でいずれも4位。今年のインターハイでマークした500メートル44秒18と1000メートル1分31秒35の自己ベストには届かず、「足が動かなかった」と振り返る。粋な計らいで本人最後のレースを告げるアナウンスが会場に流れた。「終わったんだなと実感できた」とほほ笑んだ。
高校卒業後は室蘭市内の日本製鉄関連企業に就職し、スピードスケートは一区切り。今度はスキーに取り組むつもりで、就職先の同好会に所属しようと考えている。「次はスキー検定に挑戦したい」。苫工健児のスポーツマンは爽やかだった。