少年野球の苫小牧選抜がこのほど、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため13、14両日に兵庫県淡路市で開かれる第6回全日本選抜少年野球U12チャンピオン大会の出場を辞退した。大会連覇に向けて準備を進めてきた中での苦渋の決断。チームを構成する苫小牧市内の小学6年生18人は、悔しさをバネに4月から始まる中学入学後の活躍を誓っている。
第5回大会覇者の苫小牧選抜は昨年秋に苫小牧市内開催された道学童軟式野球都市対抗戦で相次ぐ強豪地区に競り勝ち連覇。再び日本一への挑戦権を獲得していた。全国大会に向けては感染症対策としてチーム全体の活動を1カ月ほど自粛。選手一人ひとりが意欲的に自主トレーニングに励み、今年1月中旬からようやく全体練習にこぎ着けていた。
しかし、国内の新型コロナ情勢は悪化の一途をたどった。政府による緊急事態宣言の延長はもとより、道も独自の集中対策期間を2月15日まで設定。苫小牧市内では頻繁に感染者が出ていた。石川将一監督(沼ノ端スポーツ少年団)は「すごくつらい判断だった。コロナ対策を徹底しながら全国大会開催を実現していただいた現地の関係者の方々にも申し訳ない気持ちでいっぱい」と言う。
チームは1月末に白老町内の屋内施設で最後の活動となる紅白戦を行った。「コロナで満足に練習を積むことができなかったのに、チームとしてやりたかったことをしっかり表現する姿に胸を打たれた」と石川監督。板橋蓮斗主将(北光ファイターズ)=北光=は「全国に行けなくなったのは本当に残念だったけど、信頼できる仲間たちと最後まで野球ができて良かった」と胸を張った。
メンバーは春から中学生。学校の軟式野球部、硬式クラブチームなど各自新たな野球の道を走り続ける。石川監督は「互いを認め合える素晴らしい人間性が備わった子たちだった。今回の悔しさは間違いなく次のステージに生きる。日々伝えてきた一球集中、一球全力の気持ちを忘れずに頑張ってほしい」とエールを送った。
―苫小牧選抜メンバー抱負
(0)大宮悠生(北星有珠の沢ホークス)=北星=
苫小牧選抜になってレベルが高い選手とプレーできたことで成長した。中軸を任される打者になりたい。
(1)石川瑛二朗(沼ノ端スポーツ少年団)=ウトナイ=
変化球をたくさん身に付けて、中学では全国大会に出場したい。
(2)神隼斗(ときわ澄川ライオンズ)=澄川=
バッティングがうまくなった。攻守で活躍できる選手になりたい。
(3)大沼璃空(北光ファイターズ)=北光=
大谷翔平(米大リーグ・エンゼルス)選手のような速い球を投げられるように練習していきたい。
(4)熊原皆翔(沼ノ端スポーツ少年団)=拓進=
選抜の練習を通じて長打が打てるようになった。チームから必要とされる打者になりたい。
(5)田中健太(沼ノ端スポーツ少年団)=拓進=
昨年秋の全道大会で優勝できたのはいい思い出。長打力を武器に活躍していきたい。
(6)金澤優佑(拓勇ファイターズ)=拓進=
守備では貢献できたけど、打撃はまだ足りない。打っても守ってもいい選手になりたい。
(7)石村剣士朗(北光ファイターズ)=北光=
苫小牧選抜として活動したことが自信になった。走力と守備力をもっと高めていきたい。
(8)吉永徠人(沼ノ端スポーツ少年団)=拓勇=
全道大会優勝を経験して精神的に強くなった。チャンスで1本が打てる選手になりたい。
(9)打田知也(明柳ジャイアンツ)=明野=
打撃と守備をもっと練習して、どんな場面でも活躍できる選手になりたい。
(10)板橋蓮斗(北光ファイターズ)=北光=
阿部慎之助(現プロ野球読売ジャイアンツ2軍監督)さんのような打って守れる捕手を目指したい。
(11)木川田航大(末広アトムズ)=若草=
選抜練習で制球力と球速が上がった。1試合を一人で投げ切る投手を目指したい。
(12)三浦秀斗(リトルライオンズ)=苫小牧西=
選抜練習を積むごとに球速が上がった。これからは捕手にも挑戦したい。
(13)平野温大(日新スポーツ少年団)=豊川=
安打を量産できる打者になれるように日々の練習から頑張っていきたい。
(14)今野和雄(泉野イーグルス)=泉野=
走力が付いたと思う。盗塁で相手チームをかき回す選手になりたい。
(15)南彪亨(拓勇ファイターズ)=拓進=
選抜に入ってとても楽しくプレーできた。素振りを頑張って、もっと安打が打てるようになりたい。
(16)竿田瑠(沼ノ端ジェッツ)=沼ノ端=
選抜練習を通して打撃のミート力が上がった。イチローさんのような安打をたくさん打てる選手を目指す。
(17)春日十輝(北光ファイターズ)=大成=
体幹をもっと鍛えて、きれのある変化球を投げられるようになりたい。