苫小牧のアブロス沼ノ端スイミングクラブに所属する野村遥希(苫小牧青翔中1年)がこのほど、札幌市内で開かれた札幌ジュニア水泳競技大会の短水路男子200メートルバタフライで2分8秒15をマークし、全国ジュニアオリンピックカップ(JOC)春季大会47都道府県通信競泳競技大会の13歳標準記録(2分10秒26)を上回った。初挑戦のJOC該当種目でハイレベルな設定タイムを2秒以上上回る力泳。14日にも大会出場を控える野村は「次は2分5秒台を目指す」と意気込む。
都道府県通信大会は新型コロナウイルスの影響で中止された年齢、距離、泳法別のJOC春季大会(3月、東京)の代替レース。2020年4月~21年2月に各種公式大会、記録会で標準記録を突破した選手がランキング化される。
今回からJOC大会の年齢区分が上がり、200メートルバタフライに挑戦した野村。札幌ジュニア大会では前半の100メートルを同距離の持ちタイムよりも早い1分0秒4で折り返したが、「飛ばし過ぎた」。体力の消耗が響いて後半に伸び悩んだ。
理由は隣のレーンで泳いでいた1学年上の河野通虎(JSSあいの里)。このレースで大会新記録の2分3秒64を出した実力者についていこうとするあまり、ペースが乱れた。昨年末の練習では2分7秒台を出していただけに「ペース配分をしっかりしていれば、もう少しタイムは出せた」と言う。
それでも全国大会常連が多く在籍するアブロス沼ノ端で、一番の伸び盛りに変わりはない。昨年夏のJOC夏季大会通信大会では男子11~12歳100メートルバタフライでランキング10位。同50メートル自由形では15位と上位に名を連ねた。大江俊彰コーチは「よく努力するし、その成果をタイムでしっかり表現してくれる」と目を細める。
野村は体力強化や持ち味のキック力をより向上させていく構えで、「後半の100メートルも粘れるようにしたい」と語った。