13苫小牧市商店街振興組合連合会 秋山集一理事長(70) 価値観の変化に対応 商業者への影響深刻

  • コロナ禍を乗り切る, 特集
  • 2021年2月8日
「変化に対応した事業所が生き残る」と秋山理事長

  苫小牧市内の商店街も軒並み、新型コロナウイルス感染拡大による影響を受けている。各商店会の運営や個店の経営を直撃しており、売り上げが急減。廃業する店も出ている。地域住民の笑顔の輪を広げてきた祭りや催しが相次いで中止になっており、市商店街振興組合連合会の秋山集一理事長は「コロナの影響は深刻」と訴える。

   同連合には15組合が加盟し、会員は約600事業所。

  小売業、サービス業、不動産業など業種はさまざまだが、飲食店が全体の3割を占めている。「加盟店舗数の増減は新年度の名簿作成後に明らかになるが廃業、閉店する事業者の情報も寄せられている」と打ち明ける。

   昨年は商品やサービスを100円で提供する「百縁商店街」や、市内中心部の商店主らが主体となって開いてきたプロの技を原則無料で伝授する「まちゼミ」など恒例事業がコロナ禍で、相次いで中止になった。3密(密閉、密集、密接)の回避や自粛ムードのため、加盟商店街が積極的な集客をためらうことも多くなった。

   逆風の中、地域振興に取り組む商店街に、道や市が補助金を交付。これを活用し、感染防止対策に細心の注意を払いながら各商店街が連携したキャンペーンを展開した。加盟店の利用者を対象に抽選でコメや肉などを贈り、市民の消費を促す事業は大いに喜ばれた。

   2021年の見通しについて、秋山理事長は「コロナの収束が見えない段階で、商業者への影響は続く」と指摘。商店街の活性化につなげようと、室蘭市の「むろらん商店街づくりサポートセンター」を参考にした新たな支援体制構築を苫小牧市に要望していく考えだ。

   商店街はコロナ前から、大型店の進出やネット通販の普及など時代の変化、激しい競争の波にさらされてきたが工夫を凝らし、地域に根差したコミュニティーを築き、乗り切ってきた。秋山理事長は「世の中の仕組み、価値観がまた変わる」とコロナ下の日常を捉え、「変化に対応していかなければならない」と、生き残りへ決意を新たにしている。

 (終わり)

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