苫小牧市は保育現場での新型コロナウイルス感染拡大を防ぐため、市立保育園で使用している感染症対応マニュアルの見直し作業を進めている。効果的な消毒薬の作り方や使用方法などを加える予定で、今春の完成を目指す。民間の保育施設にも提供し、役立ててもらいたい考えだ。
現行のマニュアルにはインフルエンザやノロウイルス、ロタウイルスが引き起こす疾患別の対処法をはじめ、発熱、下痢、嘔吐など、体調不良となった園児への対応や汚物の処理方法などを記載。市内4カ所の市立保育園で活用してきた。
今回の見直しでは、新型コロナの不活性化に効果があるといわれているアルコールや次亜塩素酸ナトリウム溶液を使った日常的な消毒方法を新たに盛り込む方針。玩具やトイレ、床など子どもや職員が頻繁に触れる物や場所別に使用する消毒薬や消毒方法を記載する予定で、衛生管理の徹底によって園内での感染拡大を防ぐ考えだ。
見直し作業は現在、市内の保育事業を担当する市こども育成課と市立保育園が共同で進めている。よりよい内容とするため、同課は今後、民間の保育施設と意見交換を図ることも検討している。
国内で新型コロナの感染が広がる中、苫小牧でも保育園の園児や職員が感染する事例が発生。昨年12月には市内の保育園でクラスター(感染者集団)が確認され、1月もあけの保育園で園児1人の感染が判明し、休園措置が取られた。
同課担当者は「新型コロナについてはまだ分かっていないことも多く、保育現場は日々、手探りで懸命に感染対策を進めている」としており、「民間の保育施設にも役立つマニュアルにしたい」と述べた。