苫小牧市立病院で2日、感染症病棟の看護師1人の新型コロナウイルス感染が確認され、市職員の感染は累計20人に上った。1月だけで10人を数え、市の新型コロナウイルス感染症対策本部は同月29日、「職員感染拡大警報」を発令し、勤務時間外についても感染防止の徹底を求めていた。2月15日までを発令期間とし、家庭内での換気実施や食事をしながらの会話を控えるなど「集中的取り組み」を庁内LAN(情報通信網)のトップ画面に赤字で表示している。
市危機管理室によると、市職員の感染が最初に確認されたのは昨年11月4日。市立病院の研修医1人の陽性が判明した。その後、1カ月間余りは無かったが、12月に入ると状況は一変。同月だけで市立病院、教育委員会、健康こども部の計8人の感染が明らかになった。
年が明けても感染者は後を絶たず、1月は新たに10人の陽性を確認。上下水道部、福祉部、環境衛生部、消防署日新出張所でも発生した。
同室が発令した警報は、勤務時間外の対策も明示。家庭内感染防止として▽体調不良発生者との接触抑制▽「感染症拡大防止休暇」の積極取得―などを列記した。同休暇は、職員や同居家族に疑わしい症状がある場合や濃厚接触者と判断された場合などに取得できる。また、飲食を伴う会合・会食の自制として、同居家族以外との会食自粛に加え、「黙食・短食」の実行を掲げた。
市はこれまでも、勤務時間中のマスク着用や手指消毒、1日2回の換気を徹底。職員のデスク間の飛沫(ひまつ)対策も強化し、机ごとに間仕切りを設け、電話機の共有も原則やめた。感染防止とともに濃厚接触者となるリスクも低減する。濃厚接触者は2週間の健康観察が必要となり、感染者でなくても職場を離れなければいけないためだ。
昨年末、市立病院で感染症病棟の看護師2人が感染した際には、同じ病棟の看護師6人が濃厚接触者として健康観察が必要となり、突発的な人手不足が発生。新規入院や外来診療を制限する事態に陥った。
同室の杉岡隆弘主幹は「市民の安心、安全を守るためにも、職員の業務に支障が出ないよう万全の対策を講じる」と改めて気を引き締めた。