駒大苫小牧高女子硬式野球部が3月に埼玉県加須(かぞ)市で開かれる予定の第22回全国高校女子硬式野球選抜大会出場に向けて練習に余念がない。初の大会出場を見据え、二塁手の藤井華子主将(1年)は「自分たちの野球をして日本一を狙いたい」と抱負を語った。
同部は昨年4月に創部し、1年生24人が入部。新型コロナウイルスの影響を受ける厳しい状況下、多難な活動スタートを切った。昨年7月に兵庫県で開催されるはずだった夏の全国高校女子硬式野球選手権大会出場を最初の目標に据えたが、大会は中止となり、高校年代チームが集う公式戦へのデビューに足踏みが続いていた。
この春に予定されている全国選抜大会は3月27日に開幕するトーナメント戦。昨年12月下旬、主催する全国高校女子硬式野球連盟がホームページ上で出場33チームの一覧を公開し、北海道からは同高と札幌新陽高が選抜された。
待望の吉報は到来。同高教諭の茶木圭介監督は今回の全国大会にそろう各都府県の顔触れについて「甘くはないと思う」と見通すが「持っている力を出し切って、自信を付ける大会にしたい」と1期生メンバーに期待する。
冬場は同高敷地内の格技場が現在はメーンの練習場所となり、打撃や守備の技量向上を目指している。屋外に出て男子野球部では名物ともなっている「雪上ノック」にも取り組む。
全体的にはバットを強振する力強さが身に付きつつある。藤井主将は「スイングスピードは格段に速くなった。打球の強さと飛距離が伸びている」と話す。
頭角を現しているのは、苫小牧啓北中卒業の大上乃愛(1年)だ。茶木監督が「ミート力、パンチ力両方がチーム内トップクラス」と絶賛する強打者に成長してきた。
変化球を捉える対応力が光る。「体の動きをためて打つ感覚が分かってきた」と大上。初球から打ちにいく積極性も持ち味で「選抜大会でもヒットを打って、チームの勝利に貢献したい」と意気込む。
昨年の対外試合では捕手で4番に据わってきた勝俣音々美(同)も、顕著な成長株の一人。体幹を鍛えたことでスイングフォームがまとまり、「来る球とタイミングを合わせるための我慢ができるようになった」と手応えを語る。
投手陣も強化に取り組んでいる。球速アップに成功した柴田涼(同)は走り込みに加え、フィットネスバイクをこいで下半身に負荷をかけた成果が見え、「フォームが安定して、前より速い直球が投げられるようになった」と納得の口ぶり。「イニング回数を多くこなせるように、もっと体力をつけたい」と意欲をみなぎらせる。
茶木監督は「全国大会初出場で日本一を取るつもりでやる」とぶれない。年明け後、意気込みを全員で統一して始動した同部。藤井主将は「自分たちの元気のよさとチーム力を発揮して勝利を目指したい」と力強く語った。