全国高校総合体育大会第70回全国高校スケート競技・アイスホッケー競技選手権大会が21~25日、冬季五輪開催地の長野県で行われた。新型コロナウイルスの影響により選手保護者を含めた完全無観客で実施された中、スピードスケート女子3000メートルの森野こころ(駒大苫小牧2年)が見事3位。アイスホッケーでは駒大苫小牧が3位、苫小牧工業が5年ぶりに8強入りするなど東胆振勢が大きく存在感を示した。
(北畠授)
スピードスケート
女子3000 駒大苫 森野 表彰台
◇スピードスケート
リレハンメル、長野の両冬季五輪に出場した旧姓楠瀬志保さんを母に持つ森野が躍動した。得意とする女子3000メートルで「今季一番の滑りができた」と前回大会6位入賞時にマークした4分24秒29の自己記録を1分以上縮める4分22秒62で3位。念願の表彰台に上がり銅メダルを受け取った。
続く1500メートルでは入賞を逃したが、女子2000メートルリレーで清水彩花(3年)、小村唯(2年)、居城真衣(同)とバトンをつなぎ3位。清水、居城と組んだチームパシュートでは6位と個人、団体3種目で入賞する躍進を果たした。
また、高校から競技をはじめた苫小牧工業の木須雄大(3年)が、男子500メートル、1000メートルの2種目に挑戦して共に自己ベストを更新。記憶に残る力走を見せてくれた。
IH
駒大苫3位、苫工8強
◇アイスホッケー
高校総体31回の優勝を誇る駒大苫が、7年ぶりに決勝進出を逃した。トーナメント2回戦から登場して八戸工大一(青森)、3回戦の早稲田実業(東京)にそれぞれ完封勝ちと攻守に頼もしさを見せていたが、武修館(釧路)との準決勝では第1ピリオド4分すぎに1人少ないキルプレーで先制され追う展開となった。
第2ピリオド中盤に1年生FW石田聖弥の強烈なミドルシュートが決まり同点。悪い流れを断つきっかけにしたかったが、徹底したフォアチェックやスピード感ある攻め上がりなど武修館の勢いは止まらない。同ピリオド後半のキルプレーで勝ち越されると、第3ピリオド終盤に仕掛けた6人攻撃でパスミスから3点目を与えたのは痛かった。
一方の苫工は5年ぶりの8強入り。2回戦までに北海道栄、北海と同地区の南北海道勢を撃破。3回戦では前回大会覇者の白樺学園(帯広)と延長戦にもつれる大接戦を演じた。
惜しくも敗れはしたが「全員で最後まで体を張ることができた」とDFの水橋航大主将(3年)が言うように、今大会3戦連続で堅守を発揮したGK岡本健汰(同)を中心に粘り抜き、強豪私立をあと一歩のところまで追い詰めたのは勝利に等しい価値があった。