5 北海道料理飲食業生活衛生同業組合苫小牧中央支部 斉藤芳夫支部長(70) 苦境続くも「耐えるしか」 常連客に支えられ感謝

  • コロナ禍を乗り切る, 特集
  • 2021年1月29日
「この状況でも来店してくれる人たちには感謝しかない」と斉藤支部長

  新型コロナウイルス感染拡大は、苫小牧市錦町、大町の繁華街の光景を一変させた。夜になると会社員らでにぎわった通りは閑散とし、居酒屋など各店の売り上げが激減。忘年会、新年会シーズンなどの書き入れ時も、3密(密閉、密集、密接)回避で団体利用がほぼなくなった。北海道料理飲食業生活衛生同業組合苫小牧中央支部の斉藤芳夫支部長は「46年、業界にいるが初めての経験。今は耐えるしかない」と話す。

   飲食店への影響は昨年2月から顕著だった。道内での感染が急速に拡大し、道が独自の緊急事態宣言を発出。同組合には飲食店やバー、スナックなど約80店が加盟しているが、売り上げは前年同期に比べて3割から5割以上も減った。

   昨年4月に国が緊急事態宣言を出すと、各店舗は一時休業も強いられた。加盟店から退会や廃業の報告はないが、苦しい状況を訴える店舗が目立つ。各店でマスク着用や手指消毒、座席数間引きなど感染防止を徹底するが感染者が発生した店もあった。外食自粛のムードは消えない。

   斉藤支部長が大町で経営しているバーも昨年6月に営業を再開後、客足は段階的に前年の7~8割まで回復したが、11月以降、再び遠のいた。今年、新年会関係の予約はゼロ。そんな中、心配する常連客が足しげく通って飲食してくれ、経営面で支えられており、「感謝しかない」と強調する。

   道内では感染拡大が続いており、組合は集客につなげようと毎年2月に開いてきたボウリング大会の中止を決めた。客の呼び込みがさらに難しくなる中、国の持続化給付金や家賃給付金など支援策を会員に伝え、積極的に利用することで乗り切りたい考え。市が大幅減収の事業者に10万円を支給する独自の支援制度も「ありがたい」と評価する。

   飲食店経営者の有志が取り組む「苫小牧の飲食店応援プロジェクト」には、団体の垣根を越えて協力する姿勢。斉藤支部長は「若い人たちが頑張っている。今年も忍耐と辛抱の年になるが、少しでも情報を共有する体制を拡充していきたい」と語る。

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