3 苫小牧観光協会 市町峰行会長(70) 知恵絞りイベント開催 アニメツーリズムを推進

  • コロナ禍を乗り切る, 特集
  • 2021年1月27日
「開催したイベントは参加者に喜ばれた」と市町会長

  新型コロナウイルスの感染拡大が止まらず、インバウンド(訪日外国人旅行者)をはじめとする道内への旅行客が急減した。イベントの開催や観光案内を通じ、地域の魅力を発信してきた苫小牧観光協会の市町峰行会長は「飲食業や宿泊業、タクシー業界などへの影響が大きかった」とこの1年を振り返る。

   2020年は、苫小牧を代表するイベント「港まつり」が史上初めて中止となり、観光親善大使ハスカップレディの募集も停止という異例の年だった。緑ケ丘公園まつりや苫小牧漁港ホッキまつりなど、その他の主要なイベントについても相次いで開催が見送られた。同協会はコロナ禍で退会が数件あり、会員は現在293企業・団体になった。

   一方、コロナ対策を徹底させ、開催にこぎ着けたイベントもあった。9月の「たるまえサンフェスティバル」はバーベキューエリアの席数を例年の8割、2000席以内に減らした。ソーシャルディスタンス(社会的距離)を確保し、訪れた人に飲食時以外のマスク着用、飲食時間の短縮などの協力を呼び掛けた。

   11月の「コスプレフェスタ」も、撮影場所を例年よりも約10カ所減の6カ所に絞った。参加を事前申し込み制にするなど、3密(密閉、密集、密接)の回避に努めた。たるまえサンフェスやコスプレフェスは中止も検討したが、「どうやったら開催できるかを考えよう」と意見を出し合った。道外のイベント主催者から「参考にしたい」などの問い合わせもあったという。

   21年度は市と協力し、苫小牧出身の漫画家や地域とゆかりのある作品をPRする「アニメツーリズム」を推進したい考え。白老町のアイヌ文化発信拠点、民族共生象徴空間(ウポポイ)や道央自動車道・苫小牧中央インターチェンジの波及効果をにらみつつ、市町会長は「コロナの影響はしばらく続く。安心して観光できるのは、ワクチン次第になるが、夏に新たなイベント開催も検討したい」と話している。

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