今年度のウインターカップ全国高校バスケットボール選手権大会(昨年12月、東京都)に苫小牧地区からそろって初出場した男子の駒大苫小牧と北海道栄は共に3年生が引退し、2年生以下の陣容となって練習中だ。心機一転で新年度の全国級大会の道代表権を得ようとそれぞれが本格的な強化に乗り出した。
駒大苫 経験生かし初勝利へ
道予選初優勝を飾って出場したウインターカップ1回戦で、前橋育英(群馬)に78―82と惜敗し、初勝利は悲願となって後輩に託された。田島範人ヘッドコーチ(HC)は「先輩の年代が築いてきたものはあると思うが、ゼロからのリスタートだと思って、気負わずやってほしい」と新チームへの期待を語った。目下、基礎体力の底上げに注力している。田島HCは「スキルが高い選手は多いが持久力や筋力の強さがまだ欠けている」と指摘する。
昨年10月に西アフリカのセネガルから来日し、同部に入部したティオウネ・ババカル(1年)はセンターとして205センチの長身を生かそうと練習で奮闘中だ。田島HCは「コミュニケーションは徐々に取れるようになってきたが、チューン(ティオウネの愛称)を生かす連係はまだまだ。時間が必要」と率直に語った。
ポイントガード野宮遥稀(2年)はチームの司令塔を担う。現メンバーのスリーポイントシュート成功率の高さは武器となりそうで「うまくアシストして得点につなげることが自分の役目」と意気込みを語った。
ウインターカップでベンチ入りしたガードの倉井啓至(同)が新主将に抜てきされた。田島HCから「経験を生かして頑張ってほしい」と期待を託された倉井主将は「またウインターカップに出場できる強いチームにするために、チームをまとめていきたい」と抱負を語った。
道栄 1勝目指し走り続ける
昨年のウインターカップ道予選で初のベスト4進出に次いで激戦を乗り越え、準優勝を果たした。本大会では海部(徳島)との1回戦で大接戦を演じたが、76―77で競り負けた。
海部戦で11得点を挙げたセンター亀井柊吾副主将(2年)はウインターカップを振り返り、「リバウンドの取り方のうまさや高いシュート確率といった全国のレベルを実感した」と話す。
身長186センチとサイズに恵まれ、鋭く切り込むドライブとスリーポイントシュートが持ち味の亀井。「自分がチームを引っ張る気持ちでプレーする」と闘志を高めている。
全体的には、より速い展開のバスケットを追求していく。地区では大いに激突の可能性が高まる駒大苫小牧、続く全道上位陣、さらに全国区での戦いをにらみ、木村匡宏HCはオールコートのマンツーマンディフェンスを徹底したい考えで「40分間を走り切れるかがカギ」と言う。
ガードの伊藤淳平主将(同)がチームのまとめ役を担う。木村HCは「率先して声を出す部員。守備でのハードプレーもでき、コートでリーダーシップが取れる」と期待を寄せる。多田悠馬前主将(3年)から「全国で1勝を挙げてほしい」と伝えられたという伊藤主将は「先輩が悔しい思いをしたウインターカップで1勝を挙げることを目指して練習に励んでいきたい」と力強い。