全国高校総合体育大会第70回全国高校スケート競技・アイスホッケー競技選手権大会が21日、長野県長野市などで開幕した。初日はスピードスケートの男女3種目、アイスホッケーのトーナメント1回戦、フィギュアの女子予選Aショートプログラムが行われ、スピードスケートでは女子500メートルの清水彩花(駒大苫小牧)が41秒24で9位だった。男子5000メートルの引地朔野(同)が7分4秒18で16位。アイスホッケーでは苫小牧工業が3―1で北海道栄を下し2回戦進出を決めた。(北畠授)
2011年の第60回大会以来10年ぶりに長野開催された大会は、全国高校体育連盟、日本スケート連盟、日本アイスホッケー連盟などが主催。アイスホッケーは25日まで、スピードスケート、フィギュアスケートは24日までそれぞれ競技が展開される。新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、選手保護者を含めた完全無観客開催となっている。
◇アイスホッケー(軽井沢町、岡谷市)
▽1回戦
苫小牧工業3―1北海道栄
▽得点者【工】水橋(引木)磯島(小嶌啓)松井(磯島、水橋)【栄】北川(キム)▽GK【工】岡本【栄】佐藤
北海8―0岩手、光泉カトリック10―1龍谷富山、釧路工業18―2八戸、武修館7―0日光明峰、八戸工大一4―1東北、早稲田実業6―4水戸啓明、軽井沢(不戦勝)関西大第一、明大中野(不戦勝)慶応
◇スピードスケート(長野市)
【男子】▽500メートル (1)山本悠乃(白樺学園)35秒85(2)高見澤(小海)(3)阿部(帯広三条)(35)大野(駒大苫小牧)(41)木須(苫小牧工業)▽5000メートル (1)松本一成(諏訪実業)6分35秒19(2)橋本(八戸西)(3)菊池(白樺学園)(16)引地(駒大苫小牧)(34)大野(同)
【女子】▽500メートル (1)吉田雪乃(盛岡工業)39秒33=大会新=(2)古川(山形中央)(3)野明(岡谷南)(9)清水(駒大苫小牧)(21)尾谷(同)
◇フィギュア(長野市)
▽女子予選Aショートプログラム (1)松生理乃(中京大中京)61・03(2)鬼頭(愛知みずほ大瑞穂)(3)伊勢(高陽)
―後半種目で巻き返しに誓う、女子500メートル・清水(駒大苫)
3年連続の高校総体入賞はかなわなかった。昨年12月の道選手権(苫小牧)女子500メートル覇者として同種目に挑んだ清水(3年)。「40秒前半は出せる感覚はあった」と言うが、前半からスピードが上がらず41秒台と自己ベスト(40秒85)にも届かなかった。
原因はレース当日の直前練習にあった。300メートルを8割ほどの力で滑走するメニューをこなす際、体の状態の良さから無意識のうちに「スピードが出ていた」。足に過度な負担がかかり、「最後の最後に合わせられなかった」と調整ミスを悔いた。
1年生で高校総体6位入賞。前回大会も7位に入ったほか、昨年2月の全国選抜大会では自己ベストをマークして準優勝した得意種目だった。今季は屋内リンクでの記録は伸び悩んだものの、同12月には苫小牧開催の競技会で大会新記録樹立、高校総体の前哨戦となる道選手権では頂点に立つなど士気は高まっていた。
1000メートルや今年1月の全日本ジュニア選手権(青森県八戸市)で準優勝したチームスプリントと、22日以降の出場予定種目で巻き返しを誓う。「気持ちを切り替えて粘りの滑りをしたい」と語った。
―男子500メートル・木須(苫工)、自己ベスト大幅更新
男子500メートルに出場した苫工の木須(3年)が、初めて滑走る長野五輪会場の屋内リンクで自己ベストを大きく塗り替えた。スタートこそ「1歩目の踏み出しが抜けた」が、その後は「すごく滑りやすかった」とぐんぐん加速。44秒18と昨年9月にマークした屋内ベスト47秒38を3秒以上も縮めた。
高校から競技を始めた異色のスケーターだ。苫小牧光洋中時代は卓球部に所属し、3年生のときには団体戦で全国中学校大会(大分県)に出場。高校進学を機に「新しいことにチャレンジしたい」とスピードスケートの部活動に飛び込んだ。
厚さ1ミリほどのスケートの刃で「最初は氷の上に立つことすら大変だった」とはにかむ。地道に練習を重ね、1年目のシーズン終盤から各種大会に出場。「まさか出られるとは思っていなかった」高校総体にも、昨年に続いて参加することができた。
競技の楽しさは「自己ベストを更新したとき」と屈託ない木須。22日には男子1000メートルに出場する。「次はスタートをしっかり決めて1分33秒台を狙いたい」と力強く語った。