苫小牧青翔中学校野球部は、北海道代表として出場する文部科学大臣杯第12回全日本少年春季軟式野球大会日本生命トーナメント(3月25日開幕、静岡県)に向けて冬場の練習に汗を流している。1、2年生の部員24人が天候によっては学校グラウンドも使って基本練習を徹底し、冬の期間もチーム力の底上げを図る。右翼手の工藤伊吹生主将(2年)は「北海道の代表として最後まで諦めずに戦う姿を見せたい」と抱負を語った。
青翔は昨年9月に砂川市などで開かれて各地区の新人メンバーの27チームが臨んだトーナメントの北海道予選で4勝と大躍進して準優勝。決勝で対戦し、優勝した中標津代表の別海中央と共に全国大会の出場権を獲得した。
11月下旬からはグラウンドと体育館を併用して練習してきた。ティー打撃の練習は好天の外なら軟式球、屋内でならバドミントンのシャトルや卓球のボールを使う。軟式球よりも小さい他競技の2種類をバットで強く打ち込み続けたことで効用が見られ、工藤主将は「バットの芯で球を捉える感覚が向上してきた」と手応えを語る。
投手陣が年末と年始にかけて着々とレベルアップしている。背番号1を着ける投手の池野瞬叶(同)は、スクワットなどの筋力トレーニングに取り組み、下半身強化に励んでおり、「踏ん張りが利くようになって、制球が以前より定まった」と話す。
左腕の経塚大翔(同)は自慢の球威に磨きを掛ける。課題とする制球とフィールディングの向上を目指していて「道予選の後から練習でバント処理も改善してきた」と自信を見せる。「全国大会では三振を取れない場合でもゴロやフライで打ち取って、チームに貢献したい」と張り切る。
バッテリーを組む捕手の林龍之介(同)は守りと共に打線の中軸としての活躍が期待される。「狙った球を積極的に打ちにいけることが武器」と言い、「長打力にも自信があるので、チームの勝利に貢献できるような打撃を見せたい」と力強い。
二塁手の横濱将吾(同)は守備練習でさまざまな打球処理のための細かいステップを意識し、素早い送球動作を心掛けながら動く。「もっと前で球を捕れるようになりたい」と意欲的。打撃では9番打者として、つなぐ役割を全うしようとしている。「小技を使ってでも1番に打順を回すことができれば」と話す。
道予選後、基本に立ち返って練習を重視した北川拓郎監督は「キャッチボールをする意味から部員に問い掛けて、一つ一つの練習を見詰め直した」と話す。相手にとっての好返球を心掛け、投じられて来た球は絶対に受け止める―。監督は「みんなでうまくなろうという意識はかなり高くなっている」と評価する。
全国大会に初めて挑むメンバーを代弁して工藤主将は「全道大会ではピンチで静まりかえってしまうことがあったので、雰囲気を大事にしながら戦う」と、フィールドやベンチで元気なムードを高めていく考え。北川監督は「一つでも多く勝ちたいけれど、次の夏に向けての貴重な勉強の機会でもある。部員には経験として次につながる大会にしてもらいたい」と語った。