11 ホテルニュー王子 小林健司社長 安心、安全を最優先 コロナ禍に対応したサービス提供

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  • 2021年1月20日

  ―昨年の事業実績は。

   「本来ならば東京五輪が開催され、民族共生象徴空間(ウポポイ)開業、出光興産北海道製油所の大規模定期補修工事などの波及効果と相まって史上最高益が出る予測もあった。インバウンド(訪日外国人旅行者)の増加にも期待したが、新型コロナウイルスの影響で3月から6月の稼働率は80%減。国の「Go To トラベル」キャンペーンで7月以降、徐々に宿泊者が上向き、10月と11月は前年並みだったが、第3波が訪れ、大変厳しい状況が続いている」

   ―地元業界の現状は。

   「苫小牧は比較的ビジネスの宿泊客が多く、観光客が多い札幌など他の都市とは少し環境が違う。だが、コロナでどこも宿泊者が大幅に減り、当ホテルでは宴会の利用が極端に落ちている」

   「通常なら企業や団体に宴会場として利用されることも多いが、少人数で飲食を伴わない利用が目立つ。客単価が落ち、売り上げは前年度比70%減となった。機内食事業も行っているが、コロナで新千歳空港発着の国際線の運航がすべて止まり、国内線のみで80%減に。自助努力で固定費の削減を進めている」

   ―レストランなどの一時休業も決めた。

   「新型コロナの収束が見通せない中、安全と安心を最優先し、18日から2月12日まで、日本料理『こぶし』と中国料理『桃苑』、カフェ&ベーカリー『フォレストコート』、レストランバー『グランビュー』のディナー、宴会予約サロンを一時休業する。『グランビュー』のランチもバイキングを休止。単品のみの提供としている」

   ―今年の事業展望は。

   「コロナ禍は宿泊、観光、飲食、航空関係のすべての分野に及んでおり、我慢、忍耐の年になる。当面はこうした状況が続くため、巣ごもりや少人数といったキーワードに対応したサービスを提供していく必要がある」

   「昨年9月から、感染防止対策を徹底した新たな宿泊プランを提供している。需要回復の時期が読めない中、企業体力を維持していかなければならず、(働きながら休暇を取る)ワーケーションやリモートワークに対応したプランも検討している。一日も早く、コロナの感染拡大が収束して東京五輪が無事開催され、国際線の運航もある程度戻ってインバウンドが訪れてくれれば。ホテルと機内食の両輪が回ることを願っている」

  (終わり)

  メモ

  地域を代表するシティーホテル・グランドホテルニュー王子の運営や航空機の機内食事業などを手掛ける。苫小牧市表町4の3の1。

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