―昨年を振り返って。
「2月までは売り上げが好調だった。3月の決算に向け、黒字水準で推移していたが、同月に大きく下がった。その後は他社と同様、4、5、6各月の売り上げの下がり幅が大きかった。道内の店舗に関しては、7月にいったん回復したが8月に落ち込み、9~10月に戻ってきたと思ったところで11月後半から12月にかけて再び下がった。新型コロナウイルスの第1波、第2波、第3波と連動した。全体の売り上げも増減があり、前期に比べ10%ほどの減少となっている」
―新規出店は。
「例年通りの出店数だが、新型コロナ流行下で、デリバリー実施店舗が約10店に増えた。既存店に併設したほか、より良い立地で事業を行うため、コロナ禍で困っている札幌市内のホテルの厨房を活用した例もある。イートインだけでなく、テークアウトの需要に対応。かつてん苫小牧店で初めてドライブスルーを導入した」
―飲食業界の現状、課題は。
「引き続き厳しい環境に変わりはない。コロナは一つのきっかけで、そう遠くない時期に起こり得た市場の縮小が早く到来したと思っている。昨年までは人口減少分の需要をインバウンド(訪日外国人旅行者)が支えていたが、一気に消えた。外食産業の市場規模が20数兆円とされているが、半減するのではないか」
―課題にどう対応するか。
「コロナ前からデリバリーに力を入れてきたが、今後も継続していく。巣ごもり消費に対応した収益構造の変革を進める。コロナのワクチンに期待する声もあるが、効果が出る時期は不透明だ。コロナ前の状態にすぐに戻るとは思っていない。いかに事業計画を練るかがポイントとなる」
―新年の事業展望は。
「もともと縮小傾向だった市場に打撃が加わり、大きく経済が変わっていく。そんな中でも1割ほど増収増益の企業があり、参考にできる部分もある。食が無くなることはないので、われわれとしては外食を含め食産業という大きなフィールドで戦っていく。昨年も取り組んだが他社とのコラボレーション(協働)も選択肢の一つではないか」
メモ
外食店などを展開。昨年は札幌市内を中心にデリバリー専門店の出店を増やした。苫小牧市若草町5の3の5。