白老町の民族共生象徴空間(ウポポイ)にある国立アイヌ民族博物館は、週末にアイヌ文化を楽しく学ぶ「ホリデーイベント」を今月から展開する。アイヌ民族の歌や踊り、工芸品の製作体験など週替わりのプログラムを提供する。
初回の9日は「みんなのうた・おどり」と題して開き、親子など30人余りが参加した。同博物館学芸員の押野朱美さん(35)が講師を務め、アイヌ民族の歌や踊りについて解説。国の重要無形民俗文化財に指定されている古式舞踊イヨマンテリムセ(熊の霊送り儀礼の踊り)を映像で紹介した。
この後、アイヌ民族とカムイ(神)の関係性を描いた絵本「ちいさなくまのカムイのおはなし」の読み聞かせを行い、参加者を楽しませた。
母親と一緒に参加した地元白老町の野本遥さん(10)は「アイヌ文化についていろいろと分かって面白かった」と笑顔を見せた。イベントを担当する押野さんは「アイヌ文化だけでなく、文化の多様性について考えるきっかけになれば」と話した。
同博物館は23日に、女性の首飾り「タマサイ」のミニチュア作り、30日に植物繊維の糸を使ったストラップ作りのイベントを開く。来月以降も週替わりでプログラムを企画する。
イベントの内容や参加方法などは同博物館のホームページに掲載している。