―昨年を振り返って。
「新型コロナウイルス感染症に翻弄(ほんろう)された1年。苫小牧製造所は日本軽金属グループ6社が結集した複合拠点だが、各分野で影響を受けた。アルミの自動車部品などを供給する日軽松尾は、休業を余儀なくされた時期もあった。鋳物の合金などは自動車関連の取引先が多く、自動車分野で動きが止まると影響は大きい。ただ自動車分野は戻りが早く、ほぼ回復基調となった」
「コロナ禍が一番直撃したのは日新町に拠点がある日軽北海道のサービス事業部門。貸し切りバスや下宿業、物品販売の部門だが、バスは予約キャンセルで1台も動かない月もあり、行事の中止や延期で物販の売り上げは落ちた。バスは昨年11月ごろ、学校の修学旅行などで多忙だったが、冬に向けてまた動きが止まった」
「トラックのトレーラー、バンボディー製造のフルハーフ北海道、土木・建築の日軽産業、物流の日軽物流は、輸入部品や資材納入が非常に遅れたり、入荷時期が見えなかったりと対応に追われた。サービス部門を除いて今年度下期は回復基調だが、コロナ禍で営業活動ができず、今後の生産に影を落とす部門もある」
―課題も見えた1年だった。
「各社それぞれ顧客が異なり、業界の状況に左右されるのが実態だが、働き方改革への対応、人材の確保や育成などは程度の差はあっても、グループ共通の課題としてあった。事務など管理部門は明らかに違う働き方になってきた」
「これまで年1、2回グループの全体会議を開いていたが、オンライン会議システムのズームを使うようになった。製造現場はテレワークはできないが、『密』にならない休憩の取り方など、今までと違う形で対応している」
―新年の展開は。
「日軽金グループの共通理念『安全が全てに優先する』を実践し、高品質なサービスや製品を提供し続ける」
「日軽北海道の加工事業は約8000万円掛け、長尺加工機やNC加工機などを導入し、日軽エンジニアリングと連携しながら拡充する。従来あった機能だが弱点を補い、橋の高欄など景観事業全てに対応する。これまで製造拠点は関東だったが、今後は北海道、北東北の物件全てを担いたい」
「グループ80周年、苫小牧製造所50周年を機に体育館をリニューアルし、地元の車いすバスケットチームに使ってもらっているが、今後も社会的貢献に力を入れる」
メモ
アルミニウム総合メーカー。1969年に操業を開始。勇払、日新町の拠点を合わせ従業員は600人規模。苫小牧市晴海町43の3。