苫小牧工業高ハンドボール部が室蘭支部高校ハンドボール新人大会(昨年12月、室蘭市)で優勝し、2月3日に釧路市で開幕する全国高校ハンドボール選抜大会北海道予選会に進出する。藤原渉主将(2年)は「持ち味の速攻で勢いに乗って、目標のベスト4まで駆け上がりたい」と抱負を語った。
3チームのリーグ戦によって行われた支部大会で苫工は室蘭栄に27―15、室蘭工業に26―22で連勝したものの部員たちは内容を振り返って気を引き締めている。
昨年11月上旬までの約2週間、校内で一時的に新型コロナウイルスの感染に広がりが出たことで部活動が停止。練習再開後からほどなくして大会に臨んだ。体力不足が露呈し、室蘭工業戦では、前半にあった9点差が一時、3点差まで詰められる状況にもなり、藤原主将は「体力向上が喫緊の課題」と危機感をあらわにする。
チームで取り組んでいるのは、強靱(きょうじん)な体づくり。昨年までは週末の練習時に設けていた食事による栄養補給の時間を、平日も含めて毎回に増やしている。同高教諭の小田健介監督は「ディフェンス時の体のぶつかり合いで負けない体をつくっている」と意図を話す。体重65キロのレフトサイド加藤裕津基副主将(2年)は「まだまだ細いので、あと5キロは増やしたい」と話した。
戦略面は伝統としてきた速攻による得点に磨きを掛ける。望む形で速攻を決めるために、走り負けない体力と状況判断能力の向上が欠かせない。藤原主将は「パスを出すスペースを見つけたり、つくり出したりする力を対人練習の中で身に付けている」と話した。小田監督は「守備にマークされていない選手の動きが重要。パスをもらえる位置に切り込む意識を高める必要がある」と強調する。
攻撃の要はレフトバックの林龍斗(2年)。183センチの長身を生かしたシュート力で得点源としての役割を担う。「高く跳んで角度のあるシュートが打てることが武器」と力強い。シュートの成功率は現在、5~6割といい、「9割近くまで高めていきたい」と意気込む。
全道大会ベスト4入りを目標とする苫工。そのためには、札幌の強豪チーム撃破が不可欠になる。藤原主将は「得点力が高いチームだと思うので、攻めて勝ちにいきたい」と目標達成に向けた決意を語った。