駒大苫小牧高と北海道栄高の男子バスケットボール部は、23日に東京都内で開幕したソフトバンクウインターカップ2020第73回全国高校バスケットボール選手権大会に初出場した。1回戦で駒大苫は前橋育英(群馬)に78―82、道栄は海部(徳島)に76―77で競り負けた。高校最高峰の大会で初戦突破はかなわなかったものの、苫小牧地区でしのぎを削る両チームが同時出場する歴史的出来事。来年以降のリベンジを次代が引き継ぐはずだ。
駒大苫は、1回戦で前橋育英と激突。この試合で最多得点のフォワード星健太朗副主将(3年)を中心に、展開の速いトランジションバスケットを展開し10点差で第1クオーターを終えた。田島範人ヘッドコーチ(HC)は「前半は攻守がうまくいっていた」と振り返る。
勝負を分けた一因はフリースロー。星が12本中8本を決めたが、チーム全体では成功率が5割を切る水準で、試合も左右する結果となり、田島HCは「いつもなら問題にならないことが、できていなかった」と悔やんだ。
ウインターカップ出場チームのレベルの高さを認識した形で、ガード藤岡大翔主将(同)は「接戦の中でいかに粘り強く守れるかが勝敗を分けることを痛感した」と話す。田島HCは2年連続出場を目指して、1、2年生に若返るチームを再構築する構え。「リバウンドやディフェンスの戻りといったバスケットの基本に立ち返って出直したい」と再起を誓っていた。
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道栄は海部と残り1秒まで目を離せない劇的な試合を繰り広げたが、勝利を目前で逃した。序盤はほぼボールを支配。フォワード多田悠馬主将(3年)の連続スリーポイントシュートで勢いづいた。木村匡宏HCも「選手たちは舞い上がると思っていたが、思った以上にいい入りだった」と話した。
不測の事態がチームを襲った。ガード熊谷翔(同)が相手選手との接触により負傷して退場するアクシデントがあった。「キーマンを失った」(木村HC)というチームは、第3クオーターで逆転を許すと、小差のまま競り合い続けた。
海部の得点が決まり1点リードを許したのが第4クオーター残り0・6秒。試合終了を告げるブザーが響き渡った。選手たちが立ち尽くし、その多くが涙を流した。
指導者にとっても重みのあるウインターカップ。「ここまで選手に連れてきてもらった」と部員への厚い信頼を口にした木村HC。熊谷と交代で出場した長澤尊星(3年)は「泥臭い守備から速攻につなげる栄のバスケを引き継いで、次は一つでも多く勝ち上がってもらいたい」と話し、後輩たちの奮起に期待を寄せた。
(石井翔太)
―女子、札幌山の手8強進出 男子、福岡勢2回戦勝利
ソフトバンクウインターカップ2020第73回全国高校バスケットボール選手権大会は第3日の25日、東京体育館などで続開した。女子の3回戦で札幌山の手は112―69で中津北(大分)を突き放し、8強に進出した。
連覇を目指す桜花学園(愛知)は大阪薫英女学院(大阪)を91―54でかわした。前回準優勝の岐阜女(岐阜)は昭和学院(千葉)に67―70で敗れた。
男子2回戦では2連覇中の福岡第一、福岡大大濠(ともに福岡)などが勝利した。実践学園(東京)は選手1人が発熱し、大会本部の「新型コロナウイルス感染の疑い」判断を受けて棄権し、宇都宮工(栃木)が不戦勝。
▽女子3回戦 桜花学園(愛知)91―54大阪薫英女学院(大阪)、高知中央(高知)83―78八雲学園(東京)、大阪桐蔭(大阪)77―65津幡(石川)、安城学園(愛知)93―67聖カタリナ学園(愛媛)、京都精華(京都)89―63開志国際(新潟)、昭和学院(千葉)70―67岐阜女(岐阜)、札幌山の手(北海道)112―69中津北(大分)、東京成徳大(東京)97―71小林(宮崎)
▽男子2回戦 九州学院(熊本)111―74前橋育英(群馬)、つくば秀英(茨城)71―60羽黒(山形)、正智深谷(埼玉)81―63豊見城(沖縄)、福岡大大濠(福岡)92―84関大北陽(大阪)
▽男子2回戦 東山(京都)89―69飛龍(静岡)、東海大諏訪(長野)91―88佐世保工(長崎)、宇都宮工(栃木)(不戦勝)実践学園(東京)、法政二(神奈川)97―91東北学院(宮城)、美濃加茂(岐阜)80―69新田(愛媛)、北陸(福井)82―77福島東稜(福島)、開志国際(新潟)120―90延岡学園(宮崎)、福岡第一(福岡)88―65海部(徳島)