新型コロナウイルスの流行以降、初めて迎える年末年始を前に、苫小牧市内の神社では初詣の際の感染対策を進めている。三が日にこだわらない参拝の呼び掛けや郵送祈願、境内にソーシャルディスタンス(社会的距離)を保つための目印を設置するなど、各神社が工夫を凝らす。大みそかの除夜祭など、関連する行事の中止を決めた場所もある。
苫小牧市高丘の樽前山神社では、既に5月にちょうず舎のひしゃくと鈴緒を撤去済み。例年は三が日で約8万人が訪れるため、境内でのソーシャルディスタンスの確保は難しいとし、新聞の折り込みチラシなどで市民に三が日を避けた参拝を要請している。
例年は元日から売り出すお守りや縁起物も年内から扱う予定で、参拝客の分散へ向けて配慮する。「日にちを問わず、年明けに初めて参拝することが初詣の意味。お互いに思いやりの心を持って訪れてほしい」と呼び掛けている。
また、感染症予防の一環で2021年中は郵送での祈願も受け付ける。今年初めての取り組みで、申し込み用紙に厄年払いや自動車払いなど、希望する願意と個人情報を書き、初穂料と一緒に同神社へ郵送すると、2週間程度でお守りが届く。同神社は「感染が怖い人はぜひ活用を」としている。
錦岡の錦岡樽前山神社では、今月初めから参拝客が並ぶ際の目印として、境内のコンクリートのタイルに一定間隔で色を付けている。境内でマスク着用などをアナウンスする放送機材も新たに導入した。縁起物を販売する社務所は年内の28日から開き、来年1月3日まで(午前9時~午後3時)。
この他、錦町の出雲神社は、感染拡大を考慮し大みそかの除夜祭を中止する。勇払恵比寿神社では、同日の大はらい式や元日の歳旦祭の一般参列を行わず、関係者のみで実施する。